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我が家は大統領選の投開票所、近所の鶏も姿 当局依頼はわずか1週間前、インドネシア

共同通信 / 2024年4月7日 7時28分

倉沢愛子慶応大名誉教授の邸宅で、インドネシア大統領選の投票をする女性=2024年2月、ジャカルタ(共同)

 2億人超の有権者を持つインドネシア。2月14日の大統領選では82万カ所を超える投開票所が設置され、公共施設が足りず個人宅も転用された。首都ジャカルタではインドネシア史を研究する慶応大名誉教授、倉沢愛子さん(77)の邸宅も投開票1週間前に選挙管理委員会側から依頼を受け、初めて投票所となった。(共同通信=山崎唯)

 ジャカルタ南部レンテンアグン地区の「第149投開票所」。邸宅前には候補者一覧を示す看板が設置された。有権者は門を抜け玄関前の庭で票を投じた。近隣住民の鶏が入り込む場面もあった。

 倉沢さんは「依頼があるかもと予想していたので驚かなかった」と笑う。26年前、庶民的な地区に研究拠点を兼ねて建てた。新型コロナウイルスの拡大で倉沢さんが不在にしていた期間は、ワクチン接種会場や支援物資の配給場所として地域に開放した実績もあった。

 投票は候補者の顔写真や名前の印刷された投票用紙にくぎで穴を開ける仕組み。倉沢さんは、投票者がどの候補を選んだか邸内から見えないようにガラス戸を幕で覆い、玄関も封鎖した。

 選管の規則では、投開票所はイスラム教などの礼拝所への設置が禁止されているが、特に公共施設に限っていない。選挙を盛り上げようと、係員がお化けやヒーローに扮する場所も。

 「第149投開票所」では伝統芸能に使われる魔よけ人形が入り口に置かれた。対象の有権者262人中210人が投票し、集計作業は深夜まで続いた。

 邸宅に下宿中の京都大大学院生、中鉢夏輝さん(26)も倉沢さんと投開票を見守った。中鉢さんは「日本と異なり、インドネシアでは投票に行くことが当たり前。選挙に住民を巻き込むお祭りのような楽しさがあった」と語った。

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