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焼失した長野・湯田中の老舗旅館の離れ、再建 ファン後押しで3月、新たに出発

共同通信 / 2024年4月7日 17時5分

3年前の火災で焼失し、再建を果たした「松籟荘」の外観=2月、長野県山ノ内町

 長野県山ノ内町の湯田中温泉のシンボルとして長年親しまれ、3年前に火災で焼失した宿泊施設「松籟荘」が今年3月、露天風呂付きの宿として再建を果たした。各所に旧建物の意匠や調度品をちりばめ、かつての空間を再現。ファンらの後押しを受け、温泉街に新たな歴史を刻む。(共同通信=滝野瀬雅史)

 焼失した旧松籟荘は老舗旅館「よろづや」の離れで、1939年に完成した。数寄屋造りの木造3階建てに10室、3階には宴会ができる大広間を備え、国の登録有形文化財に指定されていた。

 ところが2021年2月、調理場からの失火で建物は全焼。江戸時代から続く運営会社の社長で、七代目館主の小野誠さん(64)は「先祖に申し訳ないという気持ちだった」と振り返る。

 一方で火災直後から、利用者らのメッセージが小野さんの元に寄せられた。「亡くなった主人と新婚旅行で世話になった」「思い出の宿だった」―。小野さんは「この声に応えることが使命だ。代々受け継いだたすきを途絶えさせるわけにはいかない」と、1カ月後には再出発を決めていた。

 クラウドファンディングも活用し、跡地から50メートルほど離れた本館近くに木造2階、地下1階の新松籟荘を再建。「ゆかしい宿」をコンセプトに露天風呂や坪庭を備えた全5室を配し、以前と同じ意匠を施した窓や、火災時に唯一持ち出せた掛け軸などもあしらった。

 昨年12月に予約の受け付けを始めるとすぐに電話が鳴るなど出だしは上々で、小野さんは「かつてを知る人も知らない人も、記念日や祝いの日など人生の節目に使ってもらいたい」と期待した。

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