JAXAがHexagon社のAdamsを活用した小型月着陸実証機SLIMの着陸挙動解析を実施

Press Release

2024年4月23日

JAXAがHexagon社のAdamsを活用した小型月着陸実証機SLIMの着陸挙動解析を実施

HexagonのManufacturing Intelligence事業部(以下、Hexagon)は4月23日、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)がHexagonの機構解析ソフトウェア Adamsを活用し、小型月着陸実証機SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)プロジェクトの研究開発過程において、SLIMの着陸挙動解析を実施したと発表しました。

JAXAによるSLIMプロジェクトでは、月着陸ミッションに係り得るパラメータの組み合わせが多数用意され、様々な条件下におけるSLIMの着陸挙動の検討が必要とされました。この着陸挙動解析にAdamsが採用され、数多くの解析による検証が行われました。

この検証により、実験が困難である宇宙空間での機体挙動が把握され、月面との接触部となる脚部衝撃吸収材の配置最適化や、着陸時に想定される荷重の検討、安定した着陸を実現するための速度および姿勢条件の検討が実施されました。SLIMの研究開発に関する詳細は、学術論文(※1～3)、紹介記事(※4)、Adamsを用いたSLIMの着陸挙動解析の動画(※5)をご覧ください。

小型月着陸実証機SLIMの研究開発の結果、JAXAは2024年1月20日の未明(JST)に、日本としては初めて、世界では5カ国目となる月面への軟着陸に成功しました。SLIMの月着陸および結果検証に関する詳細は、SLIM Project概要説明資料(※6) 、SLIM月面着陸結果の記事(※7)および資料(※8)をご覧ください。

※参考資料

1. 河野 他, 小型月着陸実証機SLIMの着陸接地ダイナミクス, 第62 回宇宙科学技術連合講演会講演集(2018)

2. 河野 他, 小型月着陸実証機 SLIM における月面接地時の荷重条件推定, 第34回宇宙構造・材料シンポジウム：講演集録(2018), 資料番号 SA6000137026

3. Taro KAWANO et al., Study of Leg Arrangement for Stable Touchdown during Two-Step Landing for SLIM, Transactions of JSASS, Aerospace Technology Japan, 2020, Volume 18, Issue 5, Pages 222-230