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【国際盲導犬の日】 持続可能な盲導犬育成事業へ向け    「飼育ボランティア」の安定確保が課題に

共同通信PRワイヤー / 2024年4月24日 10時0分


 1歳になって訓練を開始しますが、すべての犬が盲導犬になるわけではありません。性格や健康面などの理由から、盲導犬に向かないと判断されるキャリアチェンジ犬(以降、CC犬)は年間に4~50頭いて、一般のご家庭に譲渡しています。


 協会では、育成方針や動物福祉の観点から、協力いただく飼育ボランティアについて、一定の条件を定めています。動物福祉に基づいて行われる盲導犬育成事業において、1頭1頭の犬に尊厳をもって対応することは、重要な理念です。飼育をお願いした家庭で、犬が生涯を通して安心して過ごすことができるのかを、しっかりと見極めます。犬だけでなく、ボランティアの方の思いも大切にしなければなりません。


 CC犬をボランティアに譲渡する際には、犬の性格に合った家庭をマッチングするようにしています。例えば、屋外で過ごしたり刺激のあることが好きな犬であれば、犬を連れて頻繁に外出する家庭をマッチングさせるようにします。反対に、家の中でゆっくり過ごすことが好きな犬であれば、それに合う家庭をマッチングするなど、人、犬双方にとって最善の組み合わせになるよう最大限の配慮をしていきます。


 


 


飼育ボランティアの待機者数は必要な数を大幅に下回る


 しかし、ボランティアを希望する家庭にも、それぞれ希望や条件があるほか、留守が多いなど犬の飼育に適さないケースも多く、年々マッチングが難しくなっています。CC犬飼育ボランティアであれば、1頭につき複数の候補が必要で、常時100家族以上確保する必要があります。現在200家族近くの申し込みがあるものの、実際に協会の方針に沿って飼育をお願いできる家族は、その3分の1程度と必要な数を大幅に下回っているのが現状です。


 また、盲導犬を安定的に育成するために、毎年盲導犬候補の子犬を100頭、確実にボランティアへ委託しなければなりません。そのため、いつでも協力いただけるPWは、協会全体で年間100家族必要です。しかし必要な数の2割程度しかいない訓練センターもあり、厳しい状況が続いています。


 さらに、繁殖犬飼育ボランティアについては、毎年10頭程度が繁殖犬となるため、年間に10家族が必要ですが、全く申し込みがないこともあります。


 


 持続可能な盲導犬育成事業には「飼育ボランティア」の協力が必要不可欠です。日本盲導犬協会では、協会の理念に共感し、協力いただけるボランティアを募集しています。目の見えない人、見えにくい人が安心して盲導犬と歩み続けられるよう、多くの方に盲導犬育成事業に参加していただきたいと考えています。

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