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大規模量子コンピューターに向けた量子ビット制御超伝導回路の原理実証に成功

共同通信PRワイヤー / 2024年6月3日 18時0分

大規模量子コンピューターに向けた量子ビット制御超伝導回路の原理実証に成功

量子ビット制御のためのマイクロ波伝送経路の密度を1,000倍高める回路技術を提案


ポイント

・ 1本のマイクロ波ケーブルで1,000個以上の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案・原理実証に成功

・ 室温と極低温間のケーブル数の大幅な削減が可能

・ 大規模量子コンピューターの実用化に向けた開発を加速


 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405291435-O1-CPj3xu94


概 要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター 竹内 尚輝 主任研究員は、大規模超伝導量子コンピューターの開発を加速させるため、国立大学法人 横浜国立大学 吉川 信行 教授、山栄 大樹 特任教員(助教)(研究当時)、国立大学法人 東北大学 山下 太郎 教授、日本電気株式会社 山本 剛 主席研究員と共同で、多数の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案し、回路動作の原理実証に成功しました。


実用的な量子コンピューターを実現するには、極低温下で動作する多数の量子ビットの状態を制御する必要があり、必要な量子ビットの数は100万個とも言われています。既存の量子コンピューターでは、室温下で生成したマイクロ波信号一つ一つを異なるケーブルで極低温下の量子ビットまで伝送しています。それには、室温と極低温を繋ぐ大量のケーブルが必要となるため、制御可能な最大量子ビット数は1,000個程度に制限されます。


今回、マイクロ波を多重化することで1本のケーブルで多数の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案し、液体ヘリウム中(絶対温度4.2 K)でその原理実証に成功しました。この技術が実用化されれば、マイクロ波の伝送経路の密度を従来の1,000倍程度まで高めることができるため、極低温下で制御可能な量子ビット数を飛躍的に増加させることが可能となります。これにより、大規模量子コンピューターの開発が加速されることが期待されます。


この研究成果の詳細は、2024年6月3日(ロンドン時間)に「npj Quantum Information」に掲載されます。


下線部は【用語解説】参照


※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。

正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ( https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240603/pr20240603.html )をご覧ください。

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