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深海における生物多様性を調査する手法の高度化

共同通信PRワイヤー / 2024年5月31日 18時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405301525-O2-cg70k65A


今後の予定

eDNA手法と画像観察法を併用することで、魚類相に関する知見が極めて限られていた海山周辺の深海性魚類の生物多様性についての詳細な情報が取得できました。海山周辺の海水とカイメン試料からのeDNAの解析手法は、これまで画像観察ではわからなかったレベルでの環境ベースライン調査や採掘活動の影響評価を容易にすることに繋がります。また、eDNA手法は魚類だけでなく、目には見えない微生物などの検出にも有効です。


今回実施したeDNA分析手順には、採水量や異なるDNAマーカーの適用など、さらなる改良が必要ですが、eDNA手法と画像観察法を併用する手法は、海山を含む深海域における生物多様性の調査・把握に広く活用されることが期待されます。


論文情報

掲載誌:npj Biodiversity

論文タイトル:Utilizing environmental DNA and imaging to study the deep-sea fish community of Takuyo-Daigo Seamount

著者:Akira Iguchi, Miyuki Nishijima, Eri Ikeuchi, Hiroyuki Yokooka, Hideki Sugishima, Kazumasa Ikeda, Ryuichi Miwa, Yoshiro Sekido, Nozomu Iwasaki, Masahiro Suzumura, Ayumi Tsukasaki, Yuichiro Tanaka, Shogo Kato, Jumpei Minatoya, Nobuyuki Okamoto, Taiga Kunishima, Yuji Ise, Atsushi Suzuki

DOI:10.1038/s44185-024-00042-w


用語解説

環境DNA

生物が排泄物や皮膚細胞などを通じて環境中に放出したDNA産物。


海山

海底地形の一種。深海底にあって、底面が円形または楕円形の高まりのこと。一般に周囲の海底との比高が1,000 m以上のものを指し、1,000 m未満のものは海丘という。現在、太平洋だけで約2,000の海山が発見されている。


環境ベースライン調査

海洋の資源開発における環境への影響の予測やモニタリングのために、周辺海域の環境および生態系に関するデータとその自然変動を把握するための調査。深海底の環境ベースライン調査の概要については、国際海底機構(International Seabed Authority:ISA)がガイドラインを定めている。

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