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血管内治療の課題を克服する新規の抗血栓性コーティング

共同通信PRワイヤー / 2024年7月10日 18時0分

血管内治療の課題を克服する新規の抗血栓性コーティング

血栓症リスクの低減と抗血小板剤の減薬


ポイント

・ 脳動脈瘤治療用ステントの安全性と有効性を高めるコーティングを開発

・ 従来技術では困難だった抗血栓性と細胞接着促進という相反する効果を同時に実現

・ 血管内治療に残存する合併症リスクを低減、抗血小板剤の減薬によって医療費削減にも貢献の可能性


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407053202-O1-pngtxL85


概 要 

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)生命工学領域連携推進室 寺村 裕治 連携主幹(細胞分子工学研究部門 分子機能応用研究グループ 研究グループ付)は、一般社団法人ジャパン・メディカル・スタートアップ・インキュベーション・プログラム(以下「JMPR」という)、N.B. Medical株式会社(以下「N.B. Medical」という)と共同で、脳動脈瘤治療用ステントのための新規抗血栓性コーティングを開発しました。


血液と接触する医療機器において、血栓の発生を抑制することは重篤な合併症を回避する重要な要素です。血管内に異物を留置するため、ステントを使用した患者は常に血栓性合併症のリスクにさらされています。そのため抗血小板剤の服用が必須となります。また、血栓発生のリスクを低減するためにこれまでに多くの抗血栓性コーティングが研究されてきました。従来のコーティングは、タンパク質の非特異的吸着を抑制することで抗血栓性を発揮するという原理が主流でした。タンパク質吸着の抑制は同時に細胞の接着を阻害することも意味します。そのため従来技術において、抗血栓性と細胞接着性はどちらかを向上させるともう一方は低下する相反関係にありました。


一方で開発した新規抗血栓性コーティングでは原理が異なります。この技術は血中の非凝固系タンパク質を優先的に吸着することで、ステント表面から生じる血液凝固反応が抑制されます。タンパク質の吸着を抑制するのではなく制御する本技術では、抗血栓性を発揮すると同時に細胞接着性が向上しています。細胞接着性の向上によって、ステントが血管に取り込まれる速度を増加します。ステントが血管内に早期に取り込まれることは、治療の早期完了を意味します。


この技術により、ステント治療で課題とされてきた血栓性合併症の発生を抑制します。さらに治療期間が短縮化されて抗血小板剤の減薬が可能となり、患者の負担軽減だけでなく医療費の削減にも貢献します。

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