EY調査、世界のIPO市場の格差は拡大、AmericasとEMEIAで急増、Asia-Pacificでは減速
共同通信PRワイヤー / 2024年7月18日 18時35分
かつて多くのIPOを実現したAsia-Pacificは、地政学的な緊張、選挙情勢、景気後退、金利上昇、市場流動性の低下などの逆風が重なり、投資家の警戒感が高まって市場心理が悪化しています。この地域では、2024年上半期に長期にわたる減速が見られ、IPO件数はわずか216件、資金調達額は104億米ドルにとどまりました。この精彩を欠いたパフォーマンスは、前年同期比で件数として43%、調達額として73%という驚異的な減少を示しています。しかし、中国の政策立案者は、株式公開を選択する企業に強靭さと規模の向上を求め、IPOにより高い要件を設定していることを理解することが重要です。
EY Global IPO LeaderのGeorge Chanのコメント:
「世界のIPO市場は、地政学的な状況や選挙情勢の複雑さの中で新たなバランスを模索しながら、より広範な経済的背景の影響を受けています。オポチュニティの振り子が西側先進国に向かう中、Asia-Pacific地域は、この逆風に対する粘り強さが今、試されています。IPOを検討している企業は、進化するIPO環境の中で、十分な情報に基づいた戦略的意思決定を行うために、高い適応力を示す必要があります」
2024年下半期の見通し:
本調査によると、2024年下半期、世界のIPO市場は、中央銀行の利下げスケジュール、地政学的緊張の高まり、各国で相次ぐ選挙などの重要な要因の影響を受けることとなります。
また、経済状況や地域のインフレ水準が変化する中、世界のインフレは引き続き冷え込むと予測されています。各国中央銀行の金融緩和サイクルは、よりタカ派的な米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢を受けて、金融緩和を先導する一部の欧州諸国と新興市場国とで乖離する可能性があります。一方、FRBを含む中央銀行が方針を転換し金利引き下げに進めば、投資家はより高いリターンを求めて資金を移動することが期待されます。この変化により、株式市場、新興市場およびテクノロジーやヘルスケア・ライフサイエンスなどの成長セクターの流動性が高まると予想されます。
George Chanのコメント:
「地政学的な緊張により、企業は高リスクの地域を避け、より有利な規制環境を求めて、新たなIPO市場を模索せざるを得なくなるでしょう。この変化は、新しい金融ハブの台頭につながり、IPO市場の状況を変える可能性があります。一方、選挙関連の不確実性はIPOのタイミングに影響を与えます。一部の企業は、選挙結果が市場の安定性や投資家の信頼に及ぼす予測不可能な影響を回避したいと考え、株式公開を延期して、選挙後のより安定した状況を待つ可能性があります」
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