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超音波診断動画から肺病変の所見に必要な特徴を高精度・高速に自動検出するAIを開発

共同通信PRワイヤー / 2024年7月24日 18時0分

超音波診断動画から肺病変の所見に必要な特徴を高精度・高速に自動検出するAIを開発

急性期現場の救命率などの向上に寄与


ポイント

・ 動画を二次元画像に変換するプログラムによりAIの検出速度の高速化に成功

・ 見落とし防止による診断精度の向上及び診断時間の短縮により臨床医の負担を軽減

・ 教育アプリとしての利用による人材育成の効率化


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407223929-O1-AnuT4DU1

 

概 要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)工学計測標準研究部門 材料強度標準研究グループ 内田 武吉 主任研究員、田中 幸美 主任研究員と学校法人 自治医科大学 鈴木 昭広 教授は、AIによる胸膜の位置と動きの自動検出に成功しました。


超音波による肺病変診断は肺エコーと呼ばれ、肺の診断において高い有用性が認められており、近年注目を集めています。しかし、肺エコーは他の臓器の超音波診断にはない特有の知識の取得が必要なため臨床医が不足しており、その普及が妨げられる要因にもなっています。今回開発した技術は、深層学習による画像認識を肺エコーに応用することで、胸膜の位置と動きを高精度かつ高速に自動検出するものです。肺病変の所見を発見するために必要な特徴を迅速に臨床医に提供することで、所見の見落としの防止などに寄与できます。将来的に、臨床医の負担軽減と急性期現場の救命率向上が見込まれ、さらには経験の浅い臨床医へのサポートや教育への応用が期待できます。


なお、この技術の詳細は、2024年7月24日に「Heliyon」に掲載されます。


下線部は【用語解説】参照


開発の社会的背景

肺エコーは肺を対象にした超音波診断法であり、肺を包んでいる膜(胸膜)と胸膜由来のアーチファクトを中心に観察する診断方法です。超音波診断法にはアーチファクトとよばれる実際には存在しない虚像が表示されてしまうことがあります。他の臓器を対象にした超音波診断ではアーチファクトは誤診の原因になるため、それをなくすための改善がなされてきました。肺エコーではこのアーチファクトなどを肺病変診断の手がかりとして積極的に利用するという特殊事情があります。アーチファクトと実像が混在する肺エコーの所見を正確に読み取れるようになるには、相応の経験と指導者が必要になるため、肺エコーを実施できる臨床医が不足しています。このことは、熟練臨床医の負担を増加させ、肺エコーの普及を阻害する要因となっています。

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