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アルツハイマー病の血液検査に一次診療での診断の改善、および臨床研究に向けたリクルートの迅速化により待機期間短縮の可能性

共同通信PRワイヤー / 2024年7月30日 10時1分


この研究の筆頭著者であり、ルンド大学の准研究員を務めるGemma Salvadó博士は、「この数値が維持され、他の独立系研究室でも再現性が確認されれば、この方法はアルツハイマー診断における腰椎穿刺とPET検査の必要性を、80%または90%減少させる可能性があります。私どもの結果は、血漿p-tau217陽性だけで、多くの臨床試験において、認知機能の低下が見られないアミロイド陽性の被験者の選択に十分であることの裏付けとなるものです」と語りました。


アルツハイマー病の診断および治療の待機時間を劇的に短縮する可能性のある血液検査


アルツハイマー病の承認済みの治療法は、この疾病による軽度認知障害または軽度アルツハイマー病性痴呆症状を呈する人に適応となっており、脳内のアミロイドβの生物学的所見が確認されることが条件です。そのため、病気の経過のできる限り早い段階で、奏功する可能性のある人々を特定することが重要です。現在はアルツハイマー病専門医の数が限られているため、PET画像診断や髄液分析に必要な専門知識へのアクセスにばらつきがあり、平等とは言えない状況のため、アルツハイマー病診断に向けた包括的な検査完了までの待機時間が長くなるケースが散見されます。


AAIC 2024で発表された研究によれば、一次診療で高性能血液検査を使用することにより、潜在的なアルツハイマー病患者をより早い段階で発見し、専門医が新しい治療の可否を判断できる可能性が示唆されました。


研究者らは、確立された予測モデルを用いて、アルツハイマー病専門医数が限られていること、および高齢化の進展の両方を考慮し、治療対象となる患者の待機時間を予測しました。本モデルには、2023年から2032年までの米国の55歳以上の人口の予測と、2つのシナリオの比較が含まれています。1つめのシナリオは、一次診療の臨床医が、簡単な認知機能検査の結果に基づいて、患者をアルツハイマー病の専門医に紹介する否かを決定するというものでした。2つめのシナリオは、高性能血液検査の結果も検討対象とし、一次診療で早期認知機能障害ありと判定された患者に血液検査を実施し、専門医への紹介は検査結果に基づいて行なうとするものでした。


本モデルによれば、2033年までに一次診療医が簡単な認知機能評価のみで専門医に紹介した場合、アルツハイマー病の新しい治療対象となるかどうかの判断に平均6年(70ヶ月)近く待つことになります。仮に血液検査でアルツハイマー病の可能性を除外したとすると、専門医の診察を必要とする患者数がはるかに少なくなるため、アルツハイマー病患者の平均待機時間は13ヶ月に短縮される可能性があります。研究者らはまた、一次診療の段階で血液検査と簡単な認知機能評価をアルツハイマー病診断の可能性を除外するために使用した場合、アルツハイマー病専門医の需要が減少することで余裕が生まれ、CSFまたはPET検査が利用できるようになるため、新しい治療法の適格性判断に要する待機時間は平均6ヶ月未満に短縮されるであろうとしています。

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