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イネコムギはイネのミトコンドリアを持つ新たなコムギであった!

共同通信PRワイヤー / 2024年8月7日 14時0分


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5.研究の意義と波及効果

 顕微授精法により作出されたイネコムギのゲノム解析により、イネコムギは核ゲノムとしてはコムギゲノムを、ミトコンドリアゲノムとしてはコムギに加えてイネゲノムを持つこと、すなわち、イネコムギはイネのミトコンドリアをもつ新たなコムギ(細胞質雑種コムギ・Cybridコムギ)であることが明らかにされました。この成果は、世界で初めてコムギにイネの遺伝子資源を導入できたことを示したものです。

 植物ではミトコンドリアなどが環境変化に対するセンサーとして働いている可能性が強く示唆されており、乾燥、低温、病原菌などの非生物的および生物学的ストレスに対する適応・耐性能はミトコンドリアを含む細胞質の機能に依存しています。このことから、イネのミトコンドリアを有するイネコムギは、コムギが有していない新たな形質(新奇形質)を獲得している可能性が高いと考えられ、現在イネコムギの形質評価が鋭意進められています。

 今回、コムギとイネの遺伝資源の相互利用が可能であることが示され、新たな優良形質をもつ新作物の作出に繋がるプラットフォームとなることが期待されます。また、顕微授精法は配偶子の単離が可能な植物種に適応可能であることから、コムギとイネだけにとどまらず、トウモロコシ、パールミレット、ソルガム、サトウキビなどの多くの有用植物間の雑種植物の作出も視野に入ってきます。現在、我々の研究グループでは、トウモロコシコムギやパールミレットコムギの作出を進めています。 


6. 論文情報

<タイトル>

Wheat cybrid plants, OryzaWheat, regenerated from wheat-rice hybrid zygotes via in vitro fertilization system possess wheat–rice hybrid mitochondria

<著者名>

Tety Maryenti, Shizuka Koshimizu, Nonoka Onda, Takayoshi Ishii, Kentaro Yano, Takashi Okamoto

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