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照明空間の明るさ評価に救世主

共同通信PRワイヤー / 2024年8月21日 14時0分


下線部は【用語解説】参照


開発の社会的背景

われわれは、照明により昼夜を問わず快適に生活することができます。照明空間の快適な明るさは照度計により評価されます。スマートフォンや自動車にも簡易的な照度計が組み込まれ、ディスプレイの明るさの調光やライトのオン・オフ制御に活用されています。照度は、物体表面を照らす光の量を表す物理量であり、法令で作業内容や空間用途に応じた「最低照度」ならびにJISで「推奨照度」が定められています。照度計は、特定計量器に指定されるものがあるなど、重要かつ身近な計測器として、われわれの生活を支えています。さらには、近年販売されている自動車にはヘッドライトを自動的に点灯させる機能が義務付けられたように、光を活用したオートメーション化により照度計や照度センサーの市場規模はますます大きくなると予測されています。


照度計を正しく使用するには、照度の基準となる標準光源による校正が必要です。定められた標準スペクトルを再現し、また測定距離の起点が明確であるなどの特性を有する、「光度標準電球」が標準光源として長らく用いられてきました。光度標準電球を用いた照度計の校正体系は、産業界で長い期間、有効に機能してきました。しかし、世界的な白熱電球の生産中止により、この校正体系の維持が困難になっています。日本の国家計量標準機関である産総研には、照度計メーカーや試験機関から、イルミナントAのスペクトルを再現し、照度計の校正で使用できる新たな標準光源の開発の要望が多数寄せられています。


研究の経緯

光度標準電球の生産中止は、照明・光センサー産業全体の発展を妨げるため、緊急の解決策が必要です。産総研と日亜化学工業は、この問題を解決するために、LEDを用いた標準光源の開発に着手しました。産総研は、光度標準電球の代替に必要なイルミナントAのスペクトルを再現する光源の照度値などの開発目標を定めるとともに、LEDにすることの利点(点灯劣化の改善や取扱いの容易さなど)を明確化しました。開発にあたっては、全方向形標準LEDの共同開発(2021年08月30日 産総研プレス発表)で得られた温度安定化技術や高精度評価技術などの基盤技術を用いています。日亜化学工業がイルミナントAのスペクトルを再現するLEDベースの標準光源を試作し、その試作品を産総研が国家計量標準を基に性能評価、および、製作にフィードバックを行い、産総研と日亜化学工業の有する技術の強みを融合してイルミナントA標準LEDの開発を進めました。

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