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照明空間の明るさ評価に救世主

共同通信PRワイヤー / 2024年8月21日 14時0分


研究の内容

イルミナントA標準LED(図1a)は、ガラスバルブなどから構築される従来の白熱電球の標準光源と異なり、落としても簡単に壊れず、発光面が汚れない構造に設計されています。先端から内側奥の位置に、イルミナントAのスペクトルを再現するLED素子が設置してあります。市販の照明用の白色LEDの多くは、青色LEDを励起光として黄色領域で発光する蛍光体を用いているため、青緑色領域や赤色領域で強度が弱い特徴があります。今回実装したLED素子は青緑色領域や赤色領域でも発光する蛍光体を加え、各蛍光体の量を最適化することでイルミナントAのスペクトルを再現しています(図1b)。イルミナントA標準LEDは、点灯電流300 mA、制御温度90 oCの条件で点灯し、照度は1 mの距離で約180 lxになります。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202408195062-O10-nuZsLn7X


LED素子の放熱基板には温度制御のためのサーモモジュールと白金測温抵抗体が取り付けてあり、発光部の温度を一定に保つことで、標準光源に必要とされる照度の安定性を実現しました(図2 a:点灯して安定になる15-20分経過後の照度を100%として、4時間で0.02%(1σ)以下の変動)。また、周囲温度試験を行い、23 ℃を基準とした周囲温度変動に対する照度変動が0.04%/℃以下であることも実証しました(図2 b)。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202408195062-O11-DUqT95At


図3 は、イルミナントA標準LEDの点灯劣化試験の結果を示しています。従来の標準電球は、20時間程度点灯すると照度値が0.4~0.5%低下するため、例えば、20時間点灯ごとで再校正など、定期的に上位の校正機関で再校正を行う必要があります。イルミナントA標準LEDは組み立て前に実装するLED素子の安定化処理(点灯電流値よりも大きい電流値を流す枯化試験)を適切に行うことで、点灯劣化を約0.02%/20 h (約400時間の劣化試験の結果の平均値)と、従来の光度標準電球に比べて20分の1程度まで抑制し改善することができました。点灯劣化が少ないという特性は、メーカー・試験機関における校正周期を従来の光度標準電球よりも長くできるだけでなく、SI基本単位の一つである光度の不確かさの改善につながります。

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