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新規でクリーンなアンモニア分解による水素製造手法を発見

共同通信PRワイヤー / 2024年9月12日 14時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409116252-O7-Rm8zM81Z


 このメカニズムについて機械学習ポテンシャルを用いた理論的シミュレーションによりさらに詳細を検討しました。その結果、電場反応時にはRuとCeO₂の境界でN₂H₂を経由したメカニズムが進行しやすいことがわかり、これが電場アンモニア分解反応を低温で進行させるメカニズムとして有力であることが明らかになりました。


 


(3) 今後の展開、このプロジェクトにより期待される波及効果


 今回の研究成果は、従来よりも200 ℃以上低い温度域でアンモニアからたくさんの水素を取り出すことができる極めて画期的なものです。この反応手法を用いることで、工場やエンジン等の排熱を利用して水素を得たいときに小型設備でその場で得ることが可能になります。これにより水素キャリアとしてのアンモニア利用の拡大、ひいては扱いが難しい水素の利用の拡大につながると考えられます。


 


(4) 課題、今後の展望


 本プロセス運用時の効率性の観点では、社会実装に向け未だ改善の余地があります。このため、本研究グループはより少ない投入エネルギーで、アンモニアからより多くの水素を取り出すべく、実験的手法と計算科学シミュレーションを組み合わせて引き続き検討を行っていくとともに、ヤンマーホールディングス株式会社と社会実装に向けた課題解決を進めていきます。


 


(5) 研究者のコメント


 従来手法ではほぼ反応が進行しない200 ℃以下の低温域で、約100%反応を進行させることに成功したことは大きな成果であると考えます。この研究成果が水素利用やアンモニア利用につながり、環境・エネルギー問題の解決に少しでも貢献できれば幸いです。本研究を足掛かりとしてアンモニア分解反応のさらなる効率向上に期待します。


 


(6) キーワード


 アンモニア、水素、水素キャリア、アンモニア分解反応の低温化、電場触媒反応


 


(7) 用語解説


※1 水素キャリア


気体の状態では貯蔵や輸送に適していない水素を、別の状態や水素化合物にして効率的に貯蔵・運搬する方法。


 


※2 電場触媒反応


触媒層に電流密度10³A m⁻²程度の直流電流を流し、10⁵ V m⁻¹オーダーの電界を印加することで従来よりも低温で化学反応を進行させる触媒プロセス。とくにメタン脱水素反応やメチルシクロヘキサン脱水素反応といった、水素を取り出す様々な反応を促進させることが報告されている。

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