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基本ブロックをあらかじめ配列し、つなぐことでゼオライトを合成

共同通信PRワイヤー / 2024年10月3日 22時0分

基本ブロックをあらかじめ配列し、つなぐことでゼオライトを合成

高機能な触媒・分子ふるい材料の創出に期待


ポイント

・ ゼオライトの基本構造である複合構造単位 (CBU)を予め配列し、組み上げる新たなゼオライト合成法を開発

・ 新規骨格を有するゼオライト(UPZ-1)の創出に成功

・ 任意の細孔構造を有する高性能なゼオライト材料開発に貢献


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410027481-O1-6y7847Vz


概 要 

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)触媒化学融合研究センター ヘテロ原子化学チーム 西鳥羽 俊貴 産総研特別研究員、五十嵐 正安 上級主任研究員、材料・化学領域 佐藤 一彦 領域長補佐は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のプロジェクトで、ゼオライトの基本構造をあらかじめ配列させ、組み上げる、新規合成手法の開発に成功し、単結晶X線構造解析および透過型電子顕微鏡によりその詳細な構造を明らかにしました。


ゼオライトの複合構造単位(Composite Building Unit : CBU)であるd6rを含むオルトケイ酸のかご型12量体(Q12H12)を水素結合により配列させ、この配列を維持したまま脱水縮合によりゼオライトを合成することができました。この新規合成手法は、さまざまなニーズに最適化されたゼオライト開発の新しい手法として、高機能・高性能な触媒や分子ふるいなどの開発に応用が期待されます。なお、今回の成果の詳細は、10月3日(米国東部時間)に米国の学術誌Chemistry of Materialsに掲載されます。


下線部は【用語解説】参照


※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。

正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20241003_2/pr20241003_2.html )をご覧ください。


開発の社会的背景

ゼオライトは規則正しく配列した細孔を持ち、また細孔内に触媒活性部位を持っていることから化学工業用触媒、環境浄化触媒およびガス分離の分野で広く利用されています。合成されるゼオライトのほとんどが塩基性の高温・高圧の水熱条件で合成されています。高性能なゼオライト合成に向けて、有機物を鋳型とした合成方法、種結晶により結晶化を促進する方法や、ゲルマニウムやホウ素などのヘテロ原子により結合形態を制御する方法などが開発されています。しかし、水熱条件下での合成では、ゼオライトへの結晶化と溶解が可逆的に進行し多様な非晶質のケイ酸塩を経由するため、合成過程が複雑で不明な点が多く、生成物の合理的な設計や形成過程の解明が困難です。この課題を打開し、各種の用途に求められる結晶構造や原子配列を得るため、ゼオライトの部分構造や、複合構造単位の転写を目指した合成法の開発が進められています。しかし、先に述べた合成法と同様にこれらの合成方法も水熱条件下で行われるため、依然としてゼオライト形成過程は複雑であり、高性能・高機能なゼオライトを精密に設計・合成することは困難です。

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