1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

エポキシ樹脂のケミカルリサイクルに新たな道筋

共同通信PRワイヤー / 2024年11月18日 14時0分


今後の予定

今回開発した分解法を改良し、ビスフェノール類以外の原料化合物を収率よく回収できるケミカルリサイクル技術を開発します。加えて、エポキシ樹脂が用いられた廃棄物へ本分解法を適用し、リサイクルが難しかった廃棄物の再生を目指します。また、エポキシ樹脂を簡便に分解できることそのものに着目し、エポキシ樹脂で封止されたもしくは接着された金属・磁性体材料などの解体と有用部材を回収する技術として自動車業界などに展開するなど、材料の幅広いリサイクルを可能にする汎用的な技術の研究開発に取り組みます。


論文情報

掲載誌:Polymer Journal

論文タイトル:Degradation of Stable Thermosetting Epoxy Resins Mediated by Bases in Amide Solvents

著者:Yasunori Minami, Tomoo Tsuyuki, Hayato Ishikawa, Yoshihiro Shimoyama, Kazuhiko Sato, Masaru Yoshida

DOI:10.1038/s41428-024-00979-6


用語解説

エポキシ樹脂

エポキシ基を有する化合物を反応させて得られる熱硬化性樹脂。エポキシ基を含むエポキシ主剤と硬化剤、またはエポキシ基同士を反応させて合成される。


1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)

1,3-Dimethyl-2-Imidazolidinoneのこと。尿素の誘導体で、非プロトン性極性溶媒として利用される有機化合物。沸点が220 ℃と高い。


ビスフェノールA

化学式 (CH3)2C(C6H4OH)2 で示される有機化合物。


エポキシ主剤

エポキシ樹脂の原料の一つ。硬化剤と反応するエポキシ基を二つ以上有する化合物。ビスフェノールAが代表的なエポキシ主剤である。


硬化剤

エポキシ主剤を架橋硬化させるための化合物。


マテリアルリサイクル

廃棄物の樹脂を破砕・分別・溶融などの主に物理的手法で新たな製品を作るリサイクル方法。


ケミカルリサイクル

廃棄物を化学反応により化学合成原料に変えて新たな製品を作るリサイクル方法。


モノマー

重合反応でポリマー(プラスチック)を合成する際の原料。


ビスフェノール類分子

ヒドロキシフェニル分子骨格(C6H4OH)を二つ有する分子の総称。化学構造の違いによりビスフェノールA、B、Fなどがある。エポキシ樹脂においては、主鎖の構成要素である。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください