小さな刺激が選択の悩みを解消
共同通信PRワイヤー / 2024年11月18日 11時0分
手首への微小電気刺激が、その後の手の選択を誘導する
小さな刺激が選択の悩みを解消 手首への微小電気刺激が、その後の手の選択を誘導する
詳細は早稲田大学Webサイトをご覧ください。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202411180115/_prw_PT1fl_23qdQJL9.png】
早稲田大学人間科学学術院の平山 健人(ひらやま けんと)研究員、同髙橋 徹(たかはし とおる)研究員と大須 理英子(おおす りえこ)教授の研究グループ(以下、本研究グループ)は、左右一方の手首に極短時間(85ミリ秒)の電気刺激を与えることで、刺激側の手を使用する頻度を高めることに成功しました。私たちの日常生活では、物をつかむ際にどちらの手を使用するかを無意識に選択しており、右側の物には右手、左側の物には左手を使うのが一般的ですが、中央にある物の場合、状況に応じて選択が変わります。最近の研究では、脳波計を用い、物を認識する前から脳活動が手の選択に影響を与える可能性が示唆されていました。本研究グループは、対象物が提示される直前に片方の手首に「瞬間的な電気刺激」を与えることで、手の選択にどのような影響があるかを調査し、その結果、刺激を与えた側の手を使う確率が増加し、判断にかかる時間が短縮されることを明らかにしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411180115-O2-Of3AIp4S】
図1:使う手の選択について
さまざまな位置に提示されるターゲットに、左右どちらかの手をのばす。点線は体の中心を示し、赤線は右手と左手を半々の確率で使う選択均衡線を示す。右利きの人は、選択均衡線が体の中心よりも左側にくることが分かっている。事前に片方の手首に短時間の刺激を与えることで、刺激側の手を使うエリアが拡大した。
麻痺した手を使用しないと、回復した手の動きが悪化するため、リハビリテーションにおいて手の使用を促すことは重要です。これまでのリハビリでは、日常生活で麻痺手の使用を促すために、当事者に麻痺手の使用に関する目標設定や日記の記載を求めるなど、当事者の意識的な努力に任されており、継続が難しいという問題点が指摘されていました。一方で、無意識に生じる手の選択に関する脳メカニズムは明らかになっていないことが多く、脳メカニズムに基づいて無意識のうちに麻痺手の使用を促すことができるリハビリテーションは実施されていませんでした。今回の知見を活かすことで、例えば脳卒中患者の新しい治療法を提案できる可能性があります。
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