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腸内菌が脳に果たす新たな役割を発見

共同通信PRワイヤー / 2024年12月16日 14時0分

腸内菌が脳に果たす新たな役割を発見

腸内菌は脳で新しく生まれる神経細胞を正常に発達させるキープレイヤー


ポイント

・ 腸内菌叢の存在が大人の脳で新しく作られた神経細胞の正常な発達に必要であることを発見

・ 3種のプロバイオティクスで腸内菌叢の担う神経発達調節の役割を補えることを示唆

・ プロバイオティクスによって増加する血中代謝物はヒト神経幹細胞の分化と発達を促進


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412101390-O1-39Y00z5G


概 要 

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)バイオメディカル研究部門 波平昌一 研究グループ長、室冨和俊 主任研究員と、国立大学法人 東京大学大学院農学生命科学研究科 平山和宏 教授は、東亜薬品工業株式会社と共同で、腸内菌(腸内菌叢)が脳に果たす新たな役割を発見しました。


大人の脳が新しく神経細胞を作り出す「成体神経新生」と呼ばれる現象は、記憶や感情の調整に関わるとされています。われわれは、新たに生まれる神経細胞の正常な発達に腸内菌叢の存在が必要であることを発見しました。また、3種類のプロバイオティクスの摂取によって、成体神経新生において腸内菌叢が担っている役割を補えることと、神経細胞を作り出す神経幹細胞の数を通常飼育下のマウスよりも増やせることも発見しました。この成果は、プロバイオティクスが脳の健康維持に貢献できる可能性を示唆しています。


なお、この成果の詳細は、2024年12月16日に「STEM CELLS」に掲載されます。


下線部は【用語解説】参照


開発の社会的背景

成体神経新生は、大人になってからも脳が新しい神経細胞を作り出す現象のことです。哺乳類では、特に海馬という脳の領域で起こることが知られています。ここで新しく作られた神経細胞は、記憶や学習だけでなく、感情のコントロールにも関わるとされています。そのため、成体神経新生の異常が、アルツハイマー病や統合失調症、うつ病などの精神疾患の原因や進行に影響している可能性が指摘されています。


海馬の成体神経新生は、運動や食事、ストレスなどの外部環境に大きく影響されます。最近の研究では、腸内に存在する菌叢(腸内菌叢)が腸と脳をつなぐ「腸脳相関」を通じて、成体神経新生に影響を与えることが明らかになっています。しかし、腸内菌叢がどのような仕組みで成体神経新生を調節しているかについては、まだ完全には解明されていませんでした。

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