日本生産性本部、2024年度「日本経営品質賞」受賞4組織を決定
共同通信PRワイヤー / 2024年12月17日 11時0分
未然防止の取り組みも生産性向上に寄与している。たとえば大口顧客の従業員を対象とした団体扱自動車保険の場合、契約台数は毎年増加しているものの、交通安全講習会等によって顧客の安全意識が高まることで、過失・人為的ミスによる事故件数が抑えられるため、事故対応にかかる業務量の抑制に成功している。
また、同社の人事考課では定性的な評価項目が並び、他の保険代理店のような個人の成果に連動した歩合制を採用していない。そのため、人に契約がついて回ることはなく、たとえば契約更新業務も、お客様サポート部(保険種目担当)が一括して担当することで効率性を高めている。加えて、同社における過去10年の平均離職率は6.0%、 転職目的離職率は1.7%となっており、社員の定着率の高さを表している。勤続年数が長く、熟練度が高い社員が増えていることも生産性の向上に寄与している。
同社は、商工組合中央金庫が主催する従業員幸福度調査「幸せデザインサーベイ」のトータルスコアが、2021~23年の3年連続で参加企業(約350社)中トップクラスに認められている。幸せを実感する社員が多いことは、同社における社員の高い定着率の要因の一つといえる。
【企画実現力を生み出す創発の仕組み】
団体ごとに保険の企画設計・制度運営を行う団体保険の取扱保険料は、前回受賞時の約1.83倍に伸長している。ここに同社の優れた「企画実現力」が顕著に表れている。団体長期所得補償保険(GLTD)をはじめとする先駆的な団体保険の提供を可能とする企画実現力は、同社の根幹をなす独自能力といえる。
その根底には、顧客の本質的課題やリスクを洞察する社員の能力の高さがある。同社は、顧客との直接的な接点から得られる顧客の「生の声」を重視している。たとえば、社員全員が行う年間4,000件の事故対応は、社員が顧客の困りごとを直接把握する機会となっている。さらに、以前は社長一人が担当していたリスクマネジメントサービスの講師を、現在ではお客様サービス部の社員全員が担当するようになった。これにより、顧客の生の声をもとに企画へ反映させる機会がさらに増えている。
加えて、社内で頻繁に行われている社員同士の対話も企画実現力の基礎となっている。お客様サービス部で週1回開催するKC(ナレッジ・コラボレーション)会議では、営業活動の共有だけでなく、社長も交えた対話を通じて顧客の課題解決にむけた知恵を出し合っている。また、全社員参加の日々の朝礼においても、顧客対応について活発な意見交換を行っている。さらに、社長と少数の社員が終業後に食事を共にしながら、特定のテーマについて話し合う、「直談飯」と呼ばれる対話の場も設けている。
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