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軟骨無形成症に対する新規治療薬の候補を発見!

共同通信PRワイヤー / 2024年12月19日 13時0分


 


研究の背景


 軟骨無形成症は、FGFR3遺伝子の変異による軟骨細胞の機能異常により、四肢の短縮を伴う低身長や特徴的な顔立ちを呈します。およそ20,000人に対して1人の発生率といわれている希少性かつ難治性の骨系統疾患です。軟骨無形成症の治療薬としてヒトC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)類縁体のボソリチド(連日皮下投与)が承認されていますが、同薬剤とは異なる作用点をもち、新生児・乳幼児を中心とする患者への負担が少ない治療薬候補の探索とその実用化は喫緊の課題です。


 研究グループはこれまでに、リン酸化酵素CDK8が、がん幹細胞(Oncogene 2021)や、間葉系幹細胞(Stem Cell Reports 2022)の機能に重要な役割を果たしていることを明らかにしてきました。


 本研究では、「軟骨無形成症の軟骨細胞の機能異常にCDK8が関与しているのか?」を検討するとともに、研究グループが独自に開発した経口投与可能なCDK8阻害剤KY-065を用いて、「CDK8の機能を抑えると、軟骨無形成症の病態が改善できるか?」について検証しました。


 


【 研究成果の概要】


 


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412161753-O4-KR3NZqw3


図1:ACH軟骨細胞にKY-065を作用させると軟骨機能が改善する。


 


 研究グループはまず、軟骨無形成症モデルマウス由来の軟骨細胞(= ACH軟骨細胞)を用いて、遺伝子およびタンパク質発現解析を行いました。その結果、ACH軟骨細胞では、CDK8の発現が遺伝子およびタンパク質レベルで増加していることがわかり、軟骨無形成症の病態進展にCDK8が関与する可能性が示唆されました。


 そこで、「軟骨細胞のCDK8がどのように軟骨無形成症の病態進展に寄与するのか?」を明らかにするため細胞実験を行いました。ACH軟骨細胞は、野生型マウス由来の軟骨細胞と比較して、軟骨細胞分化の指標であるアルシアンブルー染色およびアルカリホスファターゼ染色の染色性が低下します。一方、ACH軟骨細胞にCDK8阻害剤KY-065を作用させると、両染色の染色性が著明に増強することが判明しました(図1A-C)。


 さらに、KY-065を添加したACH軟骨細胞では、STAT1(※3)のSer727のリン酸化が著しく抑制されることが確認されました。一方、STAT1のTyr701のリン酸化やErk1/2のリン酸化には著明な変化は認められませんでした。すなわちKY-065は、CDK8の働きを抑え、STAT1シグナル経路を部分的に遮断することで、軟骨細胞の機能を回復させていることが示唆されました。

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