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リハビリはアシストのタイミングが肝心!

共同通信PRワイヤー / 2024年12月23日 14時0分


実験ではアシスト動作として、2種類の動作と2種類のタイミングを組み合わせた4通りの条件を設定しました。アシスト動作の一つは、正解の側の前肢を持ち上げる動作で、もう一つは逆側の前肢を持ち上げる動作です。タイミングについては、一つは空圧刺激を与えた一定時間(約0.2秒)経過後にアシスト動作を行い、もう一つは、刺激を受けたラットが自発的に前肢を持ち上げようとする応答動作を押力センサーで検知し、それに同期したタイミングでアシスト動作を行いました。


訓練4日目および5日目のデータから算出された成績を図2に示しました。一定時間経過後のタイミングで正解側と逆のアシスト動作を行った場合(●、赤囲い)と、ラットの応答動作に同期したタイミングで正解側のアシスト動作を行った場合(△、青囲い)に、エラー率の低下と応答時間の短縮といった訓練成績の向上が見られました。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412191965-O3-TY2DaGl5


タイミングの違いで、訓練成績を向上させるアシスト動作が正反対になるという結果は、アシスト動作がどの神経活動を活性化するかを考え、条件付け理論に基づいて空圧刺激と応答動作の関係がどのように変化するか考えることによって解釈できます。


まず、ラットが自主的に前肢を上げてレバーから離す場合、反対側の前肢ではバランスを取るためにレバーを押し下げる神経活動が活性化されます。一方、レバー駆動で強制的に前肢を持ち上げると体幹が後ろに動かされ、反射経路を通して、持ち上げられた前肢ではレバーを押し下げる神経活動が活性化されます。同時に、反対側の前肢ではその自重によって前肢が引き伸ばされて前肢をレバーから持ち上げる神経活動が活性化されます(図3)。つまり、レバー駆動によって正解のアシスト動作が入ると正解と逆の動作を起こす神経活動が活性化され、逆に、正解と逆のアシスト動作が入ると正解の動作を起こす神経活動が活性化されることになります。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412191965-O4-I402j9mS


次に、条件付け理論では、ある刺激と身体の反射応答を引き起こす別の刺激を一定の時間間隔で与えていると、ある刺激を与えるだけで反射応答が引き起こされるようになります。この理論にしたがえば、空圧刺激から一定時間経過後のタイミングで正解と逆の動作を繰り返し強制することで、正解動作を起こす神経活動が活性化され、訓練成績が向上したと考えられます(図2および図4の赤囲い)。一方、ある刺激と反射応答を引き起こす別の刺激を無秩序な時間間隔で与えていると、ある刺激を与えた際に生じていた反射応答が起きにくくなります。したがって、ラットの応答動作に同期したタイミングで正解動作を繰り返し強制することで、空圧刺激後から無秩序な時間間隔で正解と逆の動作を起こす神経活動を活性化したことになり、不正解動作を起こしにくくなることによって、訓練成績が向上したものと考えられます(図2および図4の青囲い)。その他のアシスト動作では不正解動作が起きやすくなる効果(図2の○)、正解動作を起こしにくくなる効果(図2の▲)を生じることによって訓練が遅延したと考えられます。

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