人工衛星搭載の振動センサーを精密に校正
共同通信PRワイヤー / 2025年1月8日 19時0分
振動センサーの計測値がどのくらい正しいのかを評価するための最も確実な方法は、レーザーの波長を基準として振動センサーの感度と位相シフトを精密に測定することです。具体的には、レーザー干渉計で正確に測られた振動レベルを振動センサーに加え、その時の振動センサーの応答特性を評価します。これを振動センサーの一次校正と呼びます。
人工衛星搭載の高感度振動センサーは、0.1 m/s2 程度以下の小さな振動を計測するように作られているため、高感度振動センサーを一次校正する場合には、0.01 m/s2程度(地球重力の1/1000程度)の微小な振動レベルを用いる必要があります。この場合、振動振幅がピコメートルオーダーと極めて小さくなり、レーザー干渉計の信号対ノイズ比が悪化するため、一次校正が容易ではありません。
研究の経緯
産総研では、以前から振動センサーの一次校正が可能なシステムを保有しており、校正証明書も発行してきました。その際に用いられてきた通常の振動条件は、振動周波数によって違いがありますが、通常100 m/s2 程度(地球重力のおよそ10倍程度)という大きなレベルでした。この振動レベルは、おおむねロケット打ち上げ時に加わるような苛烈なものです。
近年では産業界のニーズに応えるため、低周波帯域(0.1 Hz~100 Hz)における微小振動を用いた振動センサー校正システムの開発を行ってきました(2023年5月29日 産総研プレス発表)。これまで開発したシステムは、ビル・橋などのインフラの劣化早期発見技術に用いられる振動センサーの信頼性を向上させることを目的としていました。しかし、そのシステムでは加振器の性能の制約から振動周波数範囲が100 Hz程度、振動振幅としては最小で数ナノメートルでの加振が限界でした。そのため、人工衛星に使用される振動センサーに求められる、数ヘルツ~数キロヘルツの振動周波数範囲での校正に対応することができませんでした。そこで、数キロヘルツまでの周波数帯域に対応し、より微小な振動でのセンサーの応答(周波数応答)特性が評価できるよう、新たな校正システムを開発することにしました。
研究の内容
微小振動を用いた振動センサーの一次校正を行うには、信号とノイズの分離が重要になります。微小振動では計測したい信号が非常に小さく、システム自体や周辺環境から混入するノイズが相対的に大きくなるためです。そのために開発したのが図1(a)の校正システムです。このシステムの開発にあって特に重要だったのは、①レーザー干渉計のノイズの中から微小信号を抽出する信号処理技術、②基準となるレーザー干渉計に、加振器からの信号が回り込まないようにする防振技術、③レーザーの照射位置を細かく調整できるような自動調整機構、です。
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