人工衛星搭載の振動センサーを精密に校正
共同通信PRワイヤー / 2025年1月8日 19時0分
今般、三菱電機株式会社からの依頼で、本システムを用いてETS-9へ搭載する振動センサーの特性を評価しました。計6個のセンサーを衛星運用時の実際の環境と近い振動レベルで加振し、レーザー干渉計の計測値と比較することで、必要な周波数応答特性を取得しました。これにより、軌道上でのセンサー計測値が、実際にはどれだけの振動であるのかを、打ち上げ前に正確に確認できたことになります。これらのセンサーはETS-9の構体パネル上に搭載され、太陽電池パネルの回転制御をおこなうアクチュエータなどが発生する振動の大きさを計測・評価するために利用される予定です。
今後の予定
今後は、本システムの各部分のノイズレベルをさらに下げることで、さらに微小な振動による振動センサーの校正に取り組みます。これにより、人工衛星の精密振動計測をはじめとした、さまざまな分野における微小振動計測技術の信頼性の向上に貢献します。
論文情報
掲載誌:Metrologia
論文タイトル:Primary microvibration calibration of accelerometer with picometer displacement
著者:Wataru Kokuyama, Tomofumi Shimoda, Hideaki Nozato
DOI:10.1088/1681-7575/ad9a6e
用語解説
振動レベル
振動の大きさのこと。本稿では、加速度の単位(m/s2)で表現される振動加速度の意味で使用している。本校正システムでは、振動は正弦波で加えているため、同じ振動加速度であっても、振動周波数が増加すれば、対応する振動振幅(単位はm)が小さくなるという関係がある。そのため、図1(b)では、およそ同じ振動レベルの条件でも、振動振幅は右肩下がりのグラフとなる。
ピコメートル
1兆分の1メートル(10-12 メートル)のこと。水素原子の直径のおよそ1/100に相当する。
振動センサー
振動を電気信号に変換するセンサーのこと。加速度センサーとも呼ばれる。
感度
振動センサーの応答特性の一つで、振動の大きさに対してどのくらいの大きさの出力が出るかの係数。単位として、V/(m/s2) (「ボルト毎メートル毎秒毎秒」と読む)が用いられる。
位相シフト
振動センサーの応答特性の一つで、振動の波がどの程度遅れて出力に現れるかを示す。単位として、°(度)が用いられる。
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1低価格の理想郷「ロピア」は、日本版コストコ!? ヨーカドー跡地に続々オープン 実際に行って分かった強さの秘密
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月9日 5時55分
-
2「ヒートショック溺死」は愛媛、鹿児島、静岡に多い理由…「暖房をつけても足元が冷える部屋」を放置してはいけない
プレジデントオンライン / 2025年1月9日 18時15分
-
3「ディーゼルエンジン搭載車」は「天ぷら油」で走行できるって本当!? 「仕組み」と「可能性」を徹底解説!
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月9日 8時30分
-
4セブン&アイ、24年度中に低収益事業や資産の整理を完了へ
ロイター / 2025年1月9日 16時39分
-
5みずほ銀、長プラを年2.00%に引き上げ 15年7カ月ぶりの高水準
ロイター / 2025年1月9日 14時38分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください