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量子の世界で「冷やす」を測る

共同通信PRワイヤー / 2025年1月11日 15時0分

量子の世界で「冷やす」を測る

量子回路中の光子吸収を量子ビットにより高速評価


ポイント

・ 量子ビットの周波数変化を用いて量子回路のエネルギー減少量を高速に評価

・ 超伝導・常伝導接合による光子吸収後に量子回路に残った光子1粒以下のエネルギーを検出

・ より高速で高忠実度な量子ビットの初期化に向けた素子開発に貢献


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501082604-O1-Z4X864vz


概 要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門 中村 秀司 研究グループ付らと、東京理科大学 吉岡 輝昭 大学院生(研究当時)、蔡 兆申 教授らは、光子吸収を使った量子回路冷却の高速評価技術を開発しました。


超伝導体と常伝導体を接合した素子は、極低温環境下に置かれた電気回路を光子の吸収を介して電気的に冷却できます。近年、この光子の吸収を利用して超伝導量子ビットを高速に初期化する技術が開発され、超伝導量子コンピューターの課題となっているエラーの改善に役立つと期待されています。しかし、これまで光子吸収直後に回路中にどの程度光子が残っているのかを、高精度に測定できていませんでした。


今回、光子吸収後に超伝導量子ビットの励起周波数の変化を測定することで、冷却直後の電気回路に残った光子1粒に満たないわずかなエネルギーを高速・高精度に検出しました。その結果、光子数が1粒以下の量子領域にある電気回路においてもこの量子回路冷却技術が有効であることを確認しました。この研究は、光子吸収を利用する量子回路冷却技術の冷却能力の精確な評価および、最適な量子回路冷却素子の開発につながります。さらに今後、この量子回路冷却技術を用いたより高速で高忠実度な量子ビットの初期化技術や量子ビットの状態漏れの改善などを目指し研究を行います。


なお、この技術の詳細は、2025年1月10日(アメリカ中央時間)に「Physical Review Applied」に掲載されます。


下線部は【用語解説】参照


※本プレスリリースでは、化学式や単位記号の上付き・下付き文字を、通常の文字と同じ大きさで表記しております。

正式な表記でご覧になりたい方は、産総研WEBページ

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2025/pr20250111/pr20250111.html )をご覧ください。

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