高周波通信に貢献する圧電薄膜の作製に成功
共同通信PRワイヤー / 2025年1月21日 14時0分
窒化アルミニウム系薄膜で世界最高の圧電定数35.5 pC/Nを実現
ポイント
・ ルテチウム(Lu)を下地層として導入することにより、高濃度にスカンジウム(Sc)を添加したScAlNの結晶性向上に成功
・ Sc固溶量を向上させ、窒化アルミニウム系薄膜で世界最高の圧電定数を達成
・ スマートフォンに使われている弾性波フィルターの高性能化に貢献
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501203092-O1-32ofpGKd】
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)センシングシステム研究センター 平田 研二 主任研究員、秋山 守人 首席研究員、Anggraini Sri Ayu 主任研究員、䕃浦 泰資 研究員、上原 雅人 主任研究員、山田 浩志 チーム長と、国立研究開発法人 物質・材料研究機構 新津 甲大 独立研究者の研究チームは、弾性波フィルターに使われる窒化物圧電材料の性能を大きく向上させることに成功しました。
スマートフォンなどの無線通信機器には、特定の周波数帯域の信号を切り出すための周波数フィルターが数多く搭載されています。そのうちの一種であり現在主流となっている弾性波フィルターは圧電材料でできた薄膜を備えており、その薄膜の圧電性能が、切り出せる信号の周波数帯域に影響します。今後、通信方式の進化に伴い、より高い周波数帯域に対応した弾性波フィルターが必要になると想定されており、薄膜の圧電性能向上が求められています。
現在、窒化アルミニウム(AlN)にスカンジウム(Sc)を添加したScAlNの薄膜は、高い圧電性能を持つことから、弾性波フィルターの圧電材料として広く普及しています。ScAlNの圧電性能を高めるためには、Scを高濃度でAlNに固溶する必要がありますが、ScはAlNに混ざりにくい性質があり、シミュレーションで予想されている圧電性能を達成することはできていませんでした。
今回、ScAlN薄膜にルテチウム(Lu)金属を下地層として導入してSc固溶量を向上させ、窒化アルミニウム系圧電材料では世界最高となる35.5 pC/Nの圧電定数を得ることに成功しました。今回の研究手法や知見の活用によって、高周波通信で使用する弾性波フィルターの性能向上へ大きな展開が期待されます。
なお、この技術の詳細は、2025年1月15日に「Materials Today」にオンライン掲載されました。
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