沿岸域でのポリヒドロキシ酪酸(PHB)生分解のカギは微生物叢の多様性
共同通信PRワイヤー / 2025年1月28日 14時0分
生分解性プラスチックの海洋での生分解性評価試験の期間短縮へ一歩前進
ポイント
・ 沿岸域の海水微生物叢からこれまでに知られていなかったPHB分解菌とPHB分解酵素を多数発見
・ PHBの分解過程が進むごとに分解に関わる微生物の種類が変わることが判明
・ 生分解性評価試験の期間短縮化で、高機能な生分解性プラスチック開発の加速への貢献が期待
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501243324-O1-vh7q93G5】
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門 成廣隆 研究グループ長、黒田恭平 主任研究員、バイオメディカル研究部門 日野彰大 主任研究員、中山敦好 キャリアリサーチャーと、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 三浦隆匡 主査、企画管理部 紙野圭 課長は、沿岸域において海水に含まれる微生物叢の多様性が生分解性プラスチックの一種であるポリヒドロキシ酪酸(PHB)の生分解に重要であることを見いだしました。
近年、プラスチックによる海洋汚染が懸念され、微生物によって最終的に二酸化炭素と水に分解される生分解性プラスチックが注目されています。海洋において高効率に分解される生分解性プラスチックを開発するためには、海洋微生物を用いた生分解性評価試験(BOD試験)を行う必要がありますが、海水中に生息する微生物の量は土壌などに比べて少ないことなどから、客観的な評価には1~2年という長い期間を要します。高機能な生分解性プラスチックの開発を推進するためには、生分解に関わる微生物の種類やその代謝機能の詳細を解明し、これら微生物を活性化させる条件を明らかにすることで性能評価期間を短縮することが重要です。
今回、日本沿岸の15カ所から海水を採取し、遺伝子情報を取得してPHBの分解に関与する微生物を実験室レベルで評価しました。その結果、これまで知られていなかったものも含めて多数の分解菌と分解酵素がPHBの分解に寄与していること、また、分解過程が進むごとに関わる微生物の種類が変わることが明らかになりました。このことは、PHBの生分解にとって海水に含まれる微生物の多様性が重要であることを示します。さらに、微生物の多様性を補強するための栄養源を添加することなどで、生分解性プラスチックのBOD試験にかかる期間の短縮につながることが期待されます。
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