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AIにより画像からアルミニウム合金の強さを予測

共同通信PRワイヤー / 2025年2月5日 14時0分

AIにより画像からアルミニウム合金の強さを予測

深層学習を用いてアルミニウム合金の組織画像から機械的特性を予測する技術を開発


ポイント

・ 光学顕微鏡を用いて撮影したアルミニウム合金の微視組織の画像から、深層学習AIを使うことで材料の強度を予測する技術を開発

・ 20条件、1条件当たり12画像のデータから精度の高い特性予測を実現

・ 高性能なアルミニウム合金の開発、特にリサイクルアルミニウム合金の開発に貢献


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502033701-O1-NhWoR07M


概 要 

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)マルチマテリアル研究部門 村上 雄一朗 主任研究員、古嶋 亮⼀ 研究グループ長、尾村 直紀 研究グループ長、志賀 敬次 主任研究員、宮島 達也 キャリアエキスパートは、深層学習AIによりアルミニウム合金の微視組織の画像からアルミニウム合金の強さを予測する技術を開発しました。


リサイクルアルミニウム合金の製造は、原料からのアルミニウム合金の製錬と比べて温室効果ガスの排出量を20分の1以下に削減できますが、さまざまな元素が混入するため用途が限られることが課題でした。本技術ではリサイクルの容易な、合金元素を多く含む鋳造用アルミニウム合金を対象とし、その特性を予測することが可能です。従来の合金開発では膨大な実験と評価が必要でしたが、本技術を用いることにより特性評価に要する工程を減らすことが可能となり、開発期間の短縮が期待されます。また、本技術を利用して新たなリサイクルアルミニウム合金を開発することにより、資源循環型社会の構築と温室効果ガス削減に貢献します。


なお、この技術の詳細は、2024年12月25日に「Acta Materialia」にオンライン掲載されました。


下線部は【用語解説】参照


開発の社会的背景

近年の気候変動問題に対して温室効果ガス発生量の低減が必要とされている中、金属の中でも軽量なアルミニウム合金の重要性が高まっています。さらに、アルミニウム合金はさびにくく、加工しやすいといった特長があります。このため、自動車など輸送機器の燃費向上や、建材に利用することによる長寿命化を目的として使われています。今後需要はさらに増加することが予測されており、2040年までに2020年の1.5倍以上となる見込みです*。


しかし、アルミニウム合金を製造する際には、製錬の過程で温室効果ガスを大量に発生するという課題があります。これに対し、リサイクルアルミニウム合金の場合は、製造時の温室効果ガスの発生量が20分の1以下であり、原料からアルミニウム合金を製錬するよりも大幅に低減させることが可能です。

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