EY 調査、世界のライフサイエンス業界のM&Aで小規模化・スマート化が進む
共同通信PRワイヤー / 2025年2月6日 11時0分
中国:イノベーションの価値を探求する取り組みを拡大
ライフサイエンス企業がイノベーションの従来の領域にとどまらず、新たなバリュードライバーを探求する取り組みを拡大させる中、EY M&A Firepowerレポートから、抗体薬物複合体(ADC)などまったく新しいがん療法のライセンスイン(導入取引)を求める企業にとって、ターゲットとなる研究開発(R&D)元としての中国の重要性が高まってきたことが明らかになりました。2024年にはアストラゼネカ社がグラセル・バイオテクノロジーズ社を12億米ドルで買収しましたが、これは医薬品大手による革新的な中国バイオテック企業を初めて完全子会社化したものです。ほかに、2024年に米国で行われた最も取引額が大きいバイオバック取引(アライアンスで臨床目標とビジネス目標を満たすことができたらマイルストーン支払いが発生)の1つとなる可能性があるのが、ノバルティス社と上海アルゴバイオファーマシューティカル社のディールです(最大42億米ドル)。今回のレポートからは、中国ではライセンスアウト(導出取引)の85%ほどががん治療に焦点を絞っていることも分かりました。一方、対象となる中国企業との取引を2032年までに終了することを義務づけるバイオセキュア法や、米国新政権下で生じ得る米中関係の不透明感など、中国のライフサイエンス・イノベーション経済の成長を阻む要因もあります。
2025年のM&A動向
本レポートから、M&Aの投資収益が期待できる確かな構造的理由があることが明らかになりました。業界ではファイヤーパワーの蓄えが依然として豊富で1兆3,000億米ドルに上ります。つまり、大型のディールを行える手元資金があるということですが、ファイヤーパワーはノボ・ノルディスク社やイーライリリー社などに偏在しています。これに加え、特許切れで2028年までに3,000億米ドルの収入が減るなど、間もなく浮上する収入面の課題や、成長ギャップが2030年までに2,400億米ドルに達する見通しであるなどの問題にも業界は直面しています。一方、法人税率の引き下げという形で、また全般的な規制緩和への移行の一環としてインフレ抑制法の薬価条項の内容や連邦取引委員会の介入姿勢が後退する可能性があるなど、米国新政権の誕生で業界は大きな追い風を受けることができるかもしれません。とはいえ、こうしたプラスの要因がある反面、本レポートから、2025年の市場の成長を抑制する可能性がある要因も浮かび上がってきました。質の高い低リスク資産の減少、利益率の圧迫が続くことに伴うライフサイエンス企業の大型投資に対する意欲の減退、最も価値の高いターゲット企業を取得するにはやはり高水準のプレミアム上乗せが必要であること(2024年の中央値は、これまでの基準を大幅に上回る75%)などです。
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