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社説:自転車の反則金 順法意識、定着につなげ

京都新聞 / 2024年3月29日 16時0分

 身近な自転車への交通取り締まりが大きく転換される。

 政府は、自転車で悪質で危険な走行をした人に交通反則切符(青切符)を交付し、反則金を科す制度を導入する。今国会で道交法改正案の成立を目指す。

 自転車は手軽な乗り物だが、無謀な走行やルール逸脱など、交通違反の摘発件数は10年前よりも3倍以上に増えている。2023年に自転車が関係した死亡・重傷事故のうち、7割超は自転車側にも違反があった。相手が歩行者で、死亡または重傷を負わせたのは約360件に上る。

 取り締まり強化と併せ、危険な行為を正しく認識する機会とし、重大事故の減少につなげたい。

 自転車の違反には現在、起訴を見据えた捜査が必要な赤切符が使われている。青切符の導入により、効率的な取り締まりと安全運転の指導が可能になるという。

 対象は16歳以上で、原動機付き自転車やバイクの免許の取得年齢に合わせた。

 信号無視や指定場所一時不停止などを重点的に取り締まる。走行中に携帯電話で通話したり、画面を注視したりする「ながら運転」にも適用する。反則金は原付きバイク並みの5千~1万2千円程度を想定しているようだ。

 また酒気帯び運転も罰則規定を新たに設けた。飲酒運転と同じく赤切符の対象である。

 成立すれば公布から2年以内、ながら運転、酒気帯びは6カ月以内の施行となる。

 ただ、自転車は免許制や点数制でないため、現場での運用方法や反則金の実効性などについて国会で議論を深めてほしい。

 警察庁の調査では交通ルールを守らない理由として、「よく知らないから」が4割を占め、「危険性がないと思うから」「周りの人も守ってないから」と続いた。

 丁寧に自転車のルールを周知し、順法意識を根付かせていくことが欠かせない。子どもたちを中心に警察が行っている交通ルールを学ぶ機会も、若者や高齢者ら幅広い世代に広げたい。

 昨年、努力義務となったヘルメットの着用率は全国平均で13.5%にとどまる。併せて呼びかけを強化していくべきだろう。

 改正案では、ペダルと原動機が付いた自転車「モペット」について、原付きバイクと同じ扱いになると明記した。自転車と勘違いしている人も多く、交通違反が急増している。新たな乗り物だけに周知を急ぎたい。

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