自宅に眠る着物や帯、思い出と一緒に…「持ち主の人生が詰まった」展示会、滋賀で
京都新聞 / 2024年4月5日 8時30分
自宅に眠る着物や帯などにエピソードを添えて紹介する「たかしま着物のくらし展」が、滋賀県高島市安曇川町の藤樹の里文化芸術会館で開かれている。高島に縁のある人から着物や帯、かんざしなど35点が寄せられ、持ち主の思いが来館者の共感を呼んでいる。
たんすにしまわれたままの着物などを広く募って展示しようと企画し、3回目。応募しやすいように名前と年齢は公表せず、着ていた年代や思い出のエピソードを書いた説明文を添えている。
63歳の女性が寄せた小さな晴れ着は赤色や黄色の花の絵柄が染められた京友禅で「3世代にわたり4人が着ました」と思いを伝える。全体が薄いピンク色の振り袖は「伯母さんから頂いた着物。優しい気持ちになれる」とつづっている。
ほかにも「少女期から百人一首が好きで、飛びつきました」と記した百人一首の絵札があしらわれた昭和60年代の留め袖や、「成人式の日のために、家族が選んでくれた」という波間に咲く鮮やかな花が表現された45年前の丹後ちりめんの振り袖などが目を引く。
小林桜学芸員は「持ち主の思い出と人生が詰まっている。見ていただくことで自身の着物にも思いをはせてほしい」と話している。7日まで。午前9時~午後5時(最終日は午後3時)。無料。
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