脳卒中や心筋梗塞で、パートナーのうつ病リスク増 京都大などグループ研究「ストレス大きく」
京都新聞 / 2024年4月13日 0時0分
脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患(CVD)を夫妻のどちらかが発症すると、配偶者がうつ病になるリスクが高まるとする研究結果を、京都大などの研究グループが全国健康保険協会(協会けんぽ)のデータなどからまとめた。CVDが重症なほど配偶者のうつ病リスクも高まったという。13日、米医学誌に掲載される。
医療現場では何らかの重大な病気を発症した人の家族に対するメンタルケアは手薄といい、発症者の多いCVDで家族への影響を明らかにしようとした。
研究グループは、世帯ごとの健康保険の使用状況が分かる協会けんぽの登録データと、厚生労働省のレセプト(診療報酬明細書)を組み合わせて調査。どちらかがCVDを発症した夫妻では配偶者がうつ病を発症するかどうか、2016年4月から最長6年間の追跡調査を27万7千組に行った。
その結果、CVDを発症していない夫妻と比べ、発症した人の配偶者がその後にうつ病になった割合は13%上回った。性別や年齢による差はなかったという。さらに、CVDが重症だった場合は23%も上回り、うつ病リスクがさらに高まる傾向が確認できた。
研究グループは「がんなどとは異なり、CVDは突然起こることが多い。家族も介護を含め急激に生活環境が変わるため、うつ病発症の要因とされるストレスがより大きいのではないか」としている。
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