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『ヤマト2199 星巡る方舟』BS12で放送 「波動砲」封印で古代進はどう戦う?

マグミクス / 2022年8月28日 15時10分

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■大幅に割愛されていたオリジナル版

 滅亡寸前の地球を救うため、はるか大マゼラン星雲にあるイスカンダル星まで旅をするSFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は、日本アニメ界における金字塔的な作品です。1974年~75年に日本テレビ系で全26話が放映され、視聴率は伸び悩やんだものの、TVシリーズの再放送や1977年に公開された劇場版の大ヒットにより、熱狂的なファンを生み出すことになりました。

 当初は3クール、最大で4クールの放映を想定していたオリジナル版の『宇宙戦艦ヤマト』でしたが、残念なことに2クールでの打ち切りとなってしまいました。そのため、ヤマトがイスカンダル星に到着し、地球に帰還するまでは2話で描くという駆け足的な終盤となっていました。

 本来なら、地球に辿り着く途中も、さまざまな事件や事故が起きたに違いありません。イスカンダル星までの旅を経験し、主人公の古代進もかなり心境の変化があったはずです。オリジナル版では割愛されていたヤマトの帰路にフォーカスを絞ったのが、劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(2014年)です。

 2022年8月28日(日)の夜7時から、 BS12の「日曜アニメ劇場」で放映される『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の見どころを紹介します。

■ガミラスの残党と遭遇する古代進

 オリジナル版のTV放送から40周年を記念して製作された『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、オリジナル版の大ファンだった出渕裕監督が『宇宙戦艦ヤマト2199』に続いて手掛けた作品です。出渕監督のオリジナル版に対する熱い想いが感じられる、『宇宙戦艦ヤマト2199』のサイドストーリーとなっています。

 イスカンダル星で汚染浄化システム「コスモリバース」を入手したヤマトは、地球への帰還を急いでいました。沖田十三艦長の体調はすぐれず、副官の真田志郎、戦術長の古代進らはその穴を埋めようと尽力しています。

 デスラー総統を失ったガミラス帝国とは暫定的な和睦を結んだヤマトでしたが、ガミラス側の軍人たちにはヤマトに恨みを持つ者が少なくありません。七色星団での決戦の生き残り兵であるバーガー少佐も、ヤマトを憎んでいました。

 そんな折、ヤマトは新たなる敵・ガトランティスの攻撃を受け、謎の惑星に一時避難します。情報収集のため惑星に上陸した古代進、新見薫、桐生美鈴らは、バーガー少佐をはじめとするガミラスの残党と遭遇するのでした。古代進は無益な戦いは避けようとするのですが……。

■「波動砲」を封じられ、試される古代進の真価

『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』場面写真(C)西﨑義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

 出渕監督によるオリジナル脚本作『宇宙ヤマト2199 星巡る方舟』の見どころは、イスカンダル星から地球への帰還中のヤマトは「波動砲」を封印されているという点です。「波動砲」は科学力で勝るガミラス帝国を揺るがすほどの、すさまじい破壊力を持っていました。ヤマトにとっての絶対的な切り札です。

 しかし、イスカンダル星の女王・スターシャからは、「コスモリバース」を譲渡する代わりに「波動砲」の使用禁止を求められました。沖田艦長は、「波動砲」を使わないことを約束します。切り札なしで、どうやってヤマトは難局が待ち受ける帰路を走破できるのかが、今回の重大なテーマとなっています。

 ヤマトにとって「波動砲」は頼みの綱のようなものです。しかし、言い換えれば、「波動砲」さえあれば、どんな強敵でも倒すことができたわけです。『ウルトラマン』にとっての「スペシウム光線」、人気絶頂期のアントニオ猪木選手が使っていた「延髄斬り」のようなものでしょう。

 出渕監督はあえて「波動砲」という必殺技を禁じ手にすることで、古代進たちが知恵と勇気を振り絞って難問に立ち向かう姿を描いています。古代進の人間的な成長を感じさせます。

■古代守=キャプテンハーロックという幻の設定

 究極の破壊兵器「波動砲」の封印問題と並び、本作では「地球人はガミラス人と理解し合うことは可能か?」というテーマが、『宇宙戦艦ヤマト2199』に続いて盛り込まれています。

 戦争によって仲間や家族を失った地球人、ガミラス人はお互いに深く憎しみ合っています。一触即発の状況下で、古代進は大好きだった兄・古代守の言葉を思い出すのでした。

「たとえ生まれた星が違っていても、俺たちは理解し合える」

 それがガミラス軍の捕虜(とりこ)となりながらも、イスカンダル星のスターシャに救われた古代守が、最期に残した言葉でした。

 オリジナル版では、冥王星宙域の会戦で戦死したはずの古代守は実は生き延びて、松本零士氏の人気キャラクター『宇宙海賊キャプテンハーロック』となって、ヤマトの行方を見守るという設定も検討されていたことが知られています。

 リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』には松本零士氏は参加していないこともあり、古代守=キャプテンハーロックという設定は幻のままとなってしまいましたが、兄弟のつながりを『宇宙戦艦ヤマト2199』も『星巡る方舟』も強く感じさせるものとなっています。

 古代進は沖田艦長という父性的存在、そして「波動砲」という大量破壊兵器なしでどう戦い抜くのか? 子供のころにオリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』に夢中になった世代にとって、『星巡る方舟』はリアリティーを感じさせる物語となっています。

(長野辰次)

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