1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. ゲーム

2023年はファミコン40周年! もはや「至高のゲーム機」ではなくとも「社会現象」になった日

マグミクス / 2023年2月13日 7時10分

写真

■ドラゴンクエスト狂想曲

 1983年7月15日に発売され、2023年で発売から40周年を迎えるファミコンは、日本国内で1935万台、世界で6191万台を売り上げ、家庭用ゲーム機文化の浸透に大きな貢献を果たしました。そんなファミコンの歴史について、筆者の個人的な記憶に基づいて振り返ってみようと思います。今回は、「ドラゴンクエスト」シリーズがもたらした社会現象についてから語ります。

 1987年1月の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の人気もすさまじいものがありましたが、1988年2月の『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が巻き起こしたブームはそれを上回るものでした。都心の家電量販店には大行列ができ、玩具店にも『ドラクエIII』を求める子供や母親がひっきりなしに訪れていました。当時は街の至るところにあったファミコンショップにも、入荷のうわさを聞き付けた子供たちがしばしば列をなしていました。

 このとき問題となったのが、抱き合わせ販売です。人気のあるカセットと売れ残ったカセットをひとまとめにして買わせる商法は、当時の子供にとって大きな問題でした。この時期になるとファミコンのカセットはクオリティが低い物も出回っており、また購買力に対してあまりにもたくさんの種類が出ていたため、売れ残りのカセットが多数出ていたのです。この問題は『ドラクエIV』の時代まで尾を引きましたが、その後は法規制により姿を消しました。

なお、筆者は『ドラクエIII』を購入したときの抱き合わせカセットが初代『ファイナルファンタジー』というお得な組み合わせでした。いやラッキーな話です。

 もちろん『ドラクエII』と『III』の間にも、さまざまなタイトルが目白押しです。1987年2月には『飛龍の拳 奥義の書』、4月には『さんまの名探偵』に『ファミリージョッキー』、6月上旬には同名のTVアニメも放送された『高橋名人のBUGってハニー』や、主題歌のカセットテープが同梱された『アテナ』などメディアミックスのはしりとも言えるタイトルが登場しています。

■ファミコン黄金時代と次世代機の足音

次世代機、「スーパーファミコン」の発売が発表される(画像:写真AC)

 1987年6月下旬には『燃えろ!!プロ野球』や衝撃的なラストを迎えた『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』も発売されました。7月にはハドソンのキャラバンで使用された『ヘクター’87』、8月には主題歌のカラオケが付いた『ボンバーキング』に当時マンガとアニメが人気だった『聖闘士星矢 黄金伝説』、TVCMを庵野秀明氏が手掛けた『夢幻戦士ヴァリス』が発売されるなど、各社ともに趣向や販売戦略に工夫を凝らしたカセットが登場しています。

 9月には『ゾイド 中央大陸の戦い』、『デジタル・デビル物語 女神転生』、『つっぱり大相撲』、『沙羅曼蛇』など粒ぞろいの良作が次々と発売されています。翌10月には『ウルティマ 恐怖のエクソダス』、『破邪の封印』、『桃太郎伝説』、『星をみるひと』などRPGブームをうかがわせるタイトルが目白押し。11月には『ファザナドゥ』や『マイクタイソン・パンチアウト!!』そして12月には『ロックマン』、『ファイナルファンタジー』と後に大規模なシリーズ化された人気タイトルに加え、『ウィザードリィ』が発売され、密かに強力なブームを巻き起こしました。まさにファミコンの黄金時代と言えるでしょう。

 1988年の『ドラクエIII』発売後は、3月に『信長の野望・全国版』が登場し、その値段と巨大なカセットで子供たちを驚かせました。4月にはスポーツゲームの傑作『キャプテン翼』も登場しますが、この時期には次世代のゲーム機である「PCエンジン」がすでに発売されていました。買ってもらえた子供はファミコンほど多くはありませんでしたが、その高性能ぶりは情報誌や口コミを通じて知られており、ファミコンは至高のゲーム機ではなくなっていたのです。

 それでも圧倒的な普及台数を背景に、次々と傑作が送り出されます。8月にはCMが印象的な『ファミコンウォーズ』、10月には『スーパーマリオブラザーズ3』、12月には後に大人気シリーズとなる『桃太郎電鉄』に加え、『半熟英雄』と『ファイナルファンタジーII』が登場し、遊ぶゲーム探しに苦労はしませんでした。

 しかし10月にはセガから「メガドライブ」も発売されており、さらにファミコンは性能的に劣勢に立たされていました。11月には「スーパーファミコン」も公式に発表されており、『ドラクエIV』あたりでファミコンは卒業なのかな? という思いが脳裏をよぎる状況でした。しかしファミコンは、まだまだその底力を見せつけてくれるのです。

(早川清一朗)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください