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「母ちゃんたちには内緒だぞ!」CMもゲームも面白かった『ファミコンウォーズ』 発売から35年

マグミクス / 2023年8月12日 7時10分

写真

■子供でも遊べる戦略シミュレーションゲーム

「ファミコンウォーズがでーるぞー!」
「母ちゃんたちにはナイショだぞー!」

 一度聞くだけで耳に残るこのフレーズは、任天堂が手掛けたファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)用ソフト『ファミコンウォーズ』のTVCMで使われたものです。本作はレッドスターとブルームーンの両陣営に分かれて競い合う戦略シミュレーションゲーム。しかし一般的な同ジャンルの作品よりも敷居は低く、システムの簡略化によって初心者でも取っつきやすい内容になっていました。

 発売から35年が経った今もなお、ファンの間で語り継がれる『ファミコンウォーズ』について、今回は筆者が特に印象深く感じた「テレビCM」と「ゲームシステム」に焦点を当てます。

●知名度アップに寄与したインパクト大の実写CM

 前もって説明すると、筆者は『ファミコンウォーズ』のリアルタイム世代ではなく、後年になってシリーズ作品を手に取った一介のプレイヤーです。ゆえに先述のテレビCMも発売当時に目にしたわけではなく、2000年代に入ってから存在を知ることになりました。

 テレビCMの内容は、端的に言えば「実写をふんだんに使った販促映像」でした。肝心のゲーム画面はいつまでたっても登場せず、画面に映り込むのは筋骨隆々な軍人の訓練風景ばかり。プレイシーンを連想させるようなBGMも無く、冒頭で取り上げたキャッチーなフレーズが全編に響きわたります。

 この映像が戦争映画の名作『フルメタル・ジャケット』をパロディしたものだと知ったのは先の話ですが、リアルタイム世代でなくとも興味をそそる、インパクト抜群なテレビCMだったのは間違いないでしょう。

 なお、『ファミコンウォーズ』のテレビCMは細部が異なりつつも、いくつかの作品ごとに新バージョンが作られていきました。「ファミコンウォーズを知ってるかい?」の掛け声にくわえ、登場キャストが全員女性へ置き換えられた『ゲームボーイウォーズ』版。「こんどはDSで2画面だ!」と歌いつつ、デッキブラシを手に銭湯へ突入していく『ファミコンウォーズDS』版など、時代を重ねるごとに大きく変化しているのが特徴。それぞれの映像を見比べることで、テレビCMに込められた作品に対するメッセージがおのずと浮かび上がってきます。

■初心者歓迎! 遊びやすさ重視のゲームシステム

『ファミコンウォーズ』の設定画面。レッドスターとブルームーン間でユニットの戦力差は同じ。両軍の命運は指揮を司るプレイヤーの手に委ねられていた

●クリア条件は占領or撃滅。シューティングに特化した派生作品も
『ファミコンウォーズ』では、プレイヤーがレッドスターかブルームーンのどちらか一方につき、敵軍の拠点制圧・敵軍の撃破を目指します。攻略の要となるのは、計16種類の個性豊かな「ユニット」たち。歩兵・戦闘機・戦車など、それぞれ性能が異なるだけでなく、ユニットの生産にかかる資金(コスト)も違います。

 資金はターンごとに支給されるほか、自軍が占領した地点から徴収することも可能です。ただし無制限に使えるわけではないため、ユニット間のパワーバランスも考えて資金を運用し、「戦闘機を対空ミサイルで撃墜する」「戦車で装甲車を破壊する」といった使い分けが重視されました。

 ……と、ここまで書けば「やっぱり戦略シミュレーションって難しそう」と思われるかもしれません。しかし、『ファミコンウォーズ』は戦略シミュレーションに無くてはならない要素を残しつつ、初心者でも遊べるように程よくチューニングされていたのです。

 ユニットの名称が固有の兵器名ではなく、「戦車A」や「戦闘機B」といったように、カテゴリー名で名付けられているのもその一環です。そして被弾率をはじめ、乱数によるプレイ中のランダム性が抑えられていたのも、本作の取っつきやすさを大きく底上げしたように思われます。

 筆者が個人的に思い出深いのは、ゲームキューブ用ソフト『突撃!!ファミコンウォーズ』です。『ファミコンウォーズ』がシミュレーションゲームだったのに対し、『突撃!!ファミコンウォーズ』は「戦略ウォーアクション」へと生まれ変わりました。

 その名の通り、プレイヤー自身でユニットを操り、3Dフィールド内で敵軍に照準を合わせ、銃弾や砲弾で仕留める必要がありました。ただしアクション一辺倒ではなく、各ユニットの戦力を図った上で指揮が求められる難易度の高さが魅力になっていたのです。

 35周年を迎えた『ファミコンウォーズ』は、2023年の今もNintendo Switchで手軽に遊ぶことができます(Nintendo Switch Onlineへ加入が必要)。第一作目にして確立された戦略シミュレーションゲームの入門編として、本作はビデオゲームの歴史に残る一本と言えるのではないでしょうか。

(龍田優貴)

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