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【秋アニメ】『サイコパス3』 未来の「監視社会」で葛藤する刑事たちの骨太ドラマ

マグミクス / 2019年10月25日 19時10分

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■徹底して作り込まれた世界観が見せる、リアリティ

 TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の第1話が2019年10月24日深夜に放送され、3期がスタートしました。これまでテレビアニメ2期、劇場版、舞台、小説やマンガなど多彩に展開してきた『PSYCHO-PASS サイコパス』の新シリーズとして、期待を集めています。毎週1時間 x 全8話と、TVアニメとしては異例の放送時間で、本放送の前週に「0話」として特番を放送するほどの力の入れようです。

 舞台は、人びとの心理や性格の傾向を計測して数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が導入されてから100年後の日本。人びとはこの値を通称「PSYCHO-PASS サイコパス」と呼び、その数値を指標として生きています。

 なかでも、犯罪に関する数値は「犯罪係数」として計測され、たとえ罪を犯していない者でも、規定値を超えれば「潜在犯」として裁かれていました。取り締まりを担当するのが公安局で、「シビュラシステム」と直接つながり、その場で犯罪係数を測定できる特殊拳銃「ドミネーター」を駆使して治安維持活動を行っています。

 独特の用語が並びますが、まず「サイコパス (Psychopath) 」という用語は、異常心理学の分野で使われる言葉です。音は同じですが、作中の言葉とは綴りが異なります。2010年頃から「サイコパス診断」で自分の回答が犯罪者の回答例とどのくらい似るかという話題がインターネットを中心に広まりました。

 アニメ第1期の放送時(2012~13年)は、多くの人が「サイコパス」という言葉を知っていて、アニメのタイトルもすんなり受け入れられたのではないでしょうか。

 また、「犯罪係数」という数値で人を判断することは一見現実離れしているようですが、SNSでの「いいね」の数や、中国などで整備が進む社会信用システムの「信用スコア」など、比較的新しい「数字」に人びとが翻弄されるということが起きています。

「9.11」の同時多発テロ以降のアメリカはもちろん、日本でも安全のため監視カメラが全国各地で増え、高度な管理社会の到来を予感させています。『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界観は、リアリティのある「未来」を感じさせるのです。

 徹底した世界観の作り込みとあわせて、登場人物たちの葛藤を主軸に置いていることも、同作の魅力となっています。社会全体としては「健全」であっても、そのなかに生きる個人にとっては、システムの弾き出した数値で人生が決まってしまうことは耐えられません。公安局のメンバーは、葛藤のひとつひとつと向き合い、苦悩し、行動します。物語はSFでありながら、骨太の刑事ドラマでもあるのです。

 アニメ第3期は、紛争の絶えない海外に対して「鎖国」していた日本が「開国」し、世界に変化が起こっていきます。外国人労働者が増え、2020年の東京五輪で多くの外国人が来訪することが予想される現実の日本と重ならないとも言えません。

 主人公は、1期から活躍してきた常守朱(CV:花澤香菜)ではなく、ふたりの新人監視官、慎導灼(しんどうあらた/CV:梶裕貴)と炯(けい)・ミハイル・イグナトフ(CV:中村悠一)です。もちろん常守朱も1話から登場しています。今後、どのように前作のキャラクターたちと関係していくのか? 目が離せません。

(二木知宏)

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