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漫画『海色マーチ』 今までにない「沖縄感」を再発見できる、少女たちの日常

マグミクス / 2019年10月28日 16時20分

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■新鮮な沖縄感+かわいくてちょっとバイオレンスな女子たち

 沖縄在住の漫画家・ミナミト先生の描くマンガ『海色マーチ』が2019年9月27日(金)に発売されています。作品の舞台は、沖縄本島南部にある奥武島(おうじま)をモデルにした「宇御島(うおじま)」。海なし県で知られ、最近『翔んで埼玉』などで話題(?)の埼玉から引っ越してきた少女・小波周(さざなみ・あまね)と、現地で出会った同年代の女の子・比屋定珊瑚(ひやじょう・さんご)との交流を描いています。

 筆者は田舎の内陸部の生まれで、海に行くのは1年で1回あるかないか。しかも車で2時間かけてたどり着いた海は、天候が荒れた日本海……。生まれて初めて沖縄の地に足を踏み入れた時は、南の島特有の開放感あふれる雰囲気に「うおーっ!沖縄だー!」とはしゃいだものです。本書の美しい浜辺や海の描写を見て、当時の気持ちがよみがえりました。

 海に囲まれたあまねも、同じようにはしゃぐはず……。それなのに、彼女が海に抱いた第一声は「なんか臭いぞ…腐敗臭…?」。

 いきなり「あれ、なんか変だぞ?」という違和感から、ストーリーは進行します。

 今度は浜辺で出会った女の子・さんごを見つけると、昼寝をする彼女の口にいきなりヒトデを入れる。そんなエキセントリックな少女たちの邂逅は、しょっぱなから暴力と辛辣な言葉の応酬が随所に描かれているのです。

 もちろん、あまねはこれまで身近になかった海を満喫しようとしますが、さんごからこんこんと海の怖さを教わります。毒性のある生き物や、グロテスクなナマコさん。現地の漫画家だからこそ描ける「キレイなだけじゃない海」の生活感が、新鮮に映りました。

 想定と違う展開に最初こそ戸惑うものの、読めば読むほどこのドタバタ加減がクセになります。

 体当たりで海や沖縄の魅力を体験していくあまねと、彼女の絡みにイライラしつつも、なんだかんだで付き合ってしまうさんご。彼女たちをはじめとしたキャラクターのかわいらしさとおバカな感じ、そして暴力とギャグの絶妙なバランスがそうさせているのでしょう。

 四コマメインでストーリーが進みつつ、沖縄の海、空、街並みのさわやかなイメージをしっかり感じ取ることができます。海には怖い生き物や危険な場所もあるけれど、やっぱり憧れの場所でもある。なんだかんだで「沖縄いいなあ。沖縄好きだなあ」と感じてしまう理由を、再発見できる作品です。

(サトートモロー)

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