『ワンピ』ド外道なのに「名言製造機」な黒ひげ 最終章で意外な考察も誕生？

■「名言連発」で憎めない？　余計腹立つ？

『ONE PIECE』に登場する、黒ひげことマーシャル・D・ティーチは、これまで数々の非道な行いをしてきました。白ひげ海賊団唯一の鉄の掟と定められていた「仲間殺し」を犯して逃亡したり、ドラム王国を襲ったり、元仲間だったエースを捕らえて王下七武海入りを果たしたり、白ひげにとどめを刺して「グラグラの実」の能力を奪ったり、目的のためには手段を選ばない外道さを見せています。

　しかし、振り返ってみると、実は黒ひげは心に残るような名言を多数生み出していました。ネット上でも「ド外道なのにたまに名言吐くから憎めない」「黒ひげ嫌いだけど、カッコイイ名言めいたこと言うから余計ムカつく」などと話題になっています。読者からも特に人気の高い黒ひげの名言をいくつか振り返ります。

※この記事では最終章のネタバレを含みます。

　やはり一番有名なのは、「人の夢は！！！　終わらねえ！！！！」のセリフでしょう。数多くの名言を生み出している『ONE PIECE』でも、特に印象に残っている人が多い名言です。麦わらの一味が空島を目指すと言った時にベラミーたちにバカにされ、売られたケンカを買わずやられっぱなしのルフィたちが居酒屋を出たところのシーンです。

　まだ黒ひげが初登場してから間もない第225話「人の夢」でのセリフですが、ここだけで見開きで描かれてていたことも多くの人の印象に残った理由でもあります。

　同じく第225話では、黒ひげは「人の夢は！！！　終わらねえ！！！！」に続くセリフで、「笑われていこうじゃねェか 高みを目指せば出す拳の見つからねェケンカもあるもんだ！！！！」という名言も残しています。

　黒ひげはベラミーたちにボコボコに痛めつけられたルフィたちの方が勝者だと言い、ルフィの考えに共感を示していました。この時点では黒ひげという名前も明かされていませんでしたが、夢を追う芯のあるキャラクターという印象を読者に与えたのではないでしょうか。

　第544話でルフィと黒ひげが対峙した時の去り際に黒ひげが言った、「無駄だとは言わねェ この世に不可能という事は 何一つねェからな」というセリフも印象的です。これに続くセリフで「『ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）』もそうさ！！　必ず存在する！！！！」と力強く言い切っており、思わずカッコイイと思わされます。

　時系列的にはこの話より前にエースを捕らえており、悪役なのは間違いありません。しかし名言に心打たれた読者も多かったようで、憎みきれないキャラクターとなっていきました。

　他にも第549話では「死ぬも生きるも天任せよ 恐れた奴が負けなのさ！！」「次の一瞬を生きようじゃねェか！！」という名言を残しています。マゼランの毒によって死にかけていた黒ひげ海賊団でしたが、シリュウが持ってきた解毒剤により九死に一生を得ました。その際に言ったセリフですが、黒ひげの死をも恐れず天任せな生き方には、悪党とはいえ大物感を感じてしまいます。

　最終章では、黒ひげは元海軍大将の青キジことクザンを海賊団に勧誘する際、『海賊』ってのは!!利害が一致してりゃいいのさ!!」と、また印象的な名言を残しました。ネットでは、このセリフを受けて、「ふたりともDの一族だし、『世界政府』という共通の敵相手に一時的に手を組むんじゃないか」と、今後の「ルフィと黒ひげの共闘説」も生まれています。

　名言の数々で、単なる悪役とも言い切れない黒ひげが今後どう動くのか要注目です。

（マグミクス編集部）