ホントに令和？ 平成オタクの魂を震わせる秋の「おっさんホイホイアニメ」4選

■古のオタクこそ見るべき珠玉の4作品！

　アニメ『葬送のフリーレン』や『ウマ娘　プリティーダービー　Season 3』といった話題作が、早くも注目を集めている2023年秋クールは、昨今のトレンドを取り入れた令和の最新アニメが多い印象で、今を生きるアニメファンに刺さるのも頷けます。ただその一方で、平成を生き抜いた古参のアニメファンこそ楽しめる、「インターネット同窓会」のような新作アニメも話題のようです。

　美少女ゲームの制作現場を描いたお仕事アニメ『16bitセンセーション　ANOTHER LAYER』は、その典型的な例といえるでしょう。同作はラブコメマンガ『神のみぞ知るセカイ』でお馴染みの若木民喜先生と、ゲームソフトメーカー「アクアプラス」の甘露樹さんやみつみ美里さんが「コミックマーケット91」で頒布した同人誌を、オリジナルストーリーでアニメ化しています。

　物語の大まかな内容は、美少女ゲーム大好きな女性イラストレーター・秋里コノハが、1992年にタイムスリップして美少女ゲームを作るという内容です。90年代前半といえばいわゆる「美少女ゲーム」黎明期で、1992年12月に発売された『同級生』を始め、1994年5月発売の『ときめきメモリアル』などの大ヒットにより、恋愛シミュレーションゲームの市場がどんどん拡大していった年です。

　また往年の名作から最新作まで、美少女ゲームがほとんど実名で登場するのも同アニメの特徴といえるでしょう。第1話から、『Kanon』や『こみっくパーティー』といった名作たちが投げ売りされているところを見て、主人公が憤るシーンなどがありました。

　業界そのものの衰退が叫ばれる令和で、あえて美少女ゲームを中心に取り扱った『16bitセンセーション　ANOTHER LAYER』は、あの頃に青春を謳歌したオタクたちにとってたまらない作品ではないでしょうか。

　ネット上には「何もかもが懐かしい。オタクの魂が震えた」「あの時代を駆け抜けてきたオタクたちは絶対見るべき作品」「1話から古のオタクを殺しにきてる」といった反響があがり、早くも秋アニメのダークホースとなりそうな香りを漂わせていました。

　また、2023年10月7日には、「プリキュア」シリーズを追ってきたファン必見のアニメ『キボウノチカラ～オトナプリキュア’23～』が始まりました。『Yes！プリキュア5』『Yes！プリキュア5GoGo！』の主人公たちが、大人になった姿で登場するスピンオフ作品です。また『ふたりはプリキュア Splash☆Star』のWヒロインである日向咲と美翔舞も登場する予定なので、かつて「プリキュア」を見ていた少年少女にはたまらない作品でしょう。

　ちなみに『Yes！プリキュア5』は2007年から放送が始まり、『Yes！プリキュア5GoGo！』の最終回は2009年1月に放送されました。およそ15年が経ち、すっかり大人へと成長を遂げたキャラクターたちの姿は、「大きなお友達」のノスタルジーをかきたててやまないはずです。

　2023年11月2日（木）よりNetflixで独占配信される『鬼武者』も、発表当初から話題となっていました。原作は「CAPCOM」が2001年に発売した戦国サバイバルアクションゲームで、「PlayStation 2」専用ソフトのなかでも比較的初期の作品です。まさか令和の時代に『鬼武者』の新作アニメが制作されることになるとは、誰が予想していたでしょうか。あの原作ゲームの「バッサリ感」が、アニメでどのように表現されるのかも気になるところです。

　またアニメ『ビックリメン』はオリジナルストーリーですが、かつてシールからアニメも人気を博した『ビックリマン』に親しんだに向けて作られた作品です。ヤマト王子や聖フェニックスら、かつての『ビックリマン』の登場人物たちの「因子」を持つキャラが登場します。さらに、『ビックリメン』では「ビックリマンシール」が社会現象になった昭和末期や平成初期の懐かしのブームを、面白おかしく誇張して描いています。

　ブームが加熱し過ぎて、まるで現金輸送車のように厳重に運ばれるようになったビックリマンシールに、トラックごとビックリマンシールが盗まれてしまった「ビックリマンシール三億枚事件」……。平成を通り越して昭和のネタもふんだんに盛り込まれていますが、公式のキャッチコピーによれば「これが、令和のビックリマン」とのことです。これからどんな話が展開されるのか、注目が集まります。

（ハララ書房）