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「原稿は完成していますが…」←ん? 漫画家たちのユルすぎる「休載理由」

マグミクス / 2023年10月20日 17時10分

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■働き方改革につながる?

「24時間戦えますか?」は遠い過去の話で、今は「しっかり休めてえらい!」となる時代です。いつも締め切りと格闘しているイメージの強い漫画家も、自主的に休息をとる人が増えているように感じます。なかにはあまりにもユルすぎる理由でお休みし、「休載」のハードルを下げることに貢献した(かもしれない)漫画家も多くいました。

『ソウルイーター』や『炎炎ノ消防隊』などでお馴染みの大久保篤先生は、2023年秋クールのアニメ『カミエラビ』のキャラクターデザインも担当するなど幅広く活躍し、独特な世界観とスタイリッシュな画風に定評のある漫画家です。なかなか休載しないことでも有名でしたが、そんな大久保先生も2018年に『炎炎ノ消防隊』を休載した過去があります。そこで飛び出したのが、「優良進行で原稿は完成していますが、休載というものに興味があるため次号休載します」という理由でした。

 原稿は完成しているのに、「興味がある」という理由だけで休載に至るのは前代未聞といえます。また前述の通り大久保先生はほとんど休載したことがない漫画家なので、「原稿は完成していますが」というのも言い訳でもなんでもなく、紛れもない真実なのでしょう。

 この一連の出来事は、当時のネットニュースなどで取り上げられるほど大きな話題になり、世間からは漫画家がちゃんと休める仕事になるための「希望」として受け取られたようでした。今思えば先生本人としても、漫画家という職業の労働環境改善に向けたメッセージの発信、という狙いがあったのかもしれません。

「休みに興味があるから休む」というのはユルすぎる休載理由の究極系かもしれませんが、さらにユルい理由で休載した漫画家が、ライトノベル『処刑された賢者はリッチに転生して侵略戦争を始める』のコミカライズ版を担当している、國友翔太郎先生です。

 國友先生は2023年6月、猫を里親として譲り受けることになった旨を自身のX(旧Twitter)で報告すると、念願だった猫との生活に喜びを示すとともに、「不思議です。不思議なことに原稿が全く進みません」と吐露しました。そしてそれに続いて、「ということで大変申し訳ございませんが 今週は休載させて頂きます」との休載報告まで綴っています。また、「『こんな休載理由はじめて見た』って言われておりますが、僕も僕以外でこんな休み方する人知りません。」ともつぶやいていました。

 どうやらだいぶ人なつっこい性格の猫ちゃんらしく、仕事中の國友先生に「自分をかまえ」とアピールしてくるため、その魅力に抗えなかったようです。國友先生のXにも猫の写真が多数アップされており、読者からも「こんなかわいい猫様のためなら仕方ない」「猫様の幸せな下僕の世界へようこそ」といった反響が相次ぎました。

 とはいえ真面目に考えても、新たにペットを飼い始めるのはいろいろと大変なので、國友先生の休載という判断は正しかったといえるでしょう。

 一児の母にして、作風も本人も尖りすぎていることで有名な「マンガ界の狂犬」ちょぼらうにょぽみ先生の休載理由は、実に先生らしい理由でした。コアなゲーマーであることでも知られているにょぽみ先生は「大好きなスプラトゥーン3が出る為」との理由で、2022年に『きゅぽぽんぬ宇宙忍者カンパニー』の長期休載を発表しています。彼女にいわせれば「どんなに面白い漫画を連載していてもガチエリアのランクがS以下なら漫画家失格なのが昨今の出版界の掟」とのことです。

 ちなみに彼女は過去にも、「子供が『ゼルダの伝説 風のタクト』をやりはじめたのですが、教えているうちに作者自身がハマってしまった為」との理由で、Webマンガ『夏狂』を休載したことがありました。

 ゲームでの体験はたんなる遊びではなく、ときにはクリエイターにとって肥やしとなるものです。おもしろいマンガ作りにも、影響を及ぼしているのかもしれません。実際に大のゲーム好きの漫画家は多く、『RAVE』や『FAIRY TAIL』の真島ヒロ先生も趣味が高じて、自らゲーム制作に挑戦するほどのゲーム愛好家です。眞島先生本人はデビューしてから25年間、一度も休載したことがないことで有名ですが……。

 いずれにしても、漫画家が休みたいときに休めるようになったのはいいことですね。

(ハララ書房)

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