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HoYoverse最新作『ゼンレスゾーンゼロ』はシンプル操作で爽快アクション!  「狭く深く」なゲーム体験がクセになる【プレイレポ】

マグミクス / 2023年12月15日 17時40分

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■独特な世界観と、雄弁に描写するこだわりの表現

 HoYoverseは、『原神』や『崩壊:スターレイル』など、話題性の高いヒット作で大きな注目を集めています。その勢いは今もなお止まらず、新たなアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』も、多くのゲームファンから関心が寄せられており、目が離せない作品のひとつです。

『ゼンレスゾーンゼロ』の正式サービスは2024年を予定しており、その全容はまだ見えません。ですが、第2回クローズドベータテストにあたる「吸音テスト」が、現在開催されています。『ゼンレスゾーンゼロ』の魅力を直接体験できる、貴重な機会となりました。

 しかしクローズドベータテストのため、プレイできるのは一部の人に限られます。そこで今回、この「吸音テスト」に参加した1プレイヤーの視点からその体験を綴り、お届けします。このプレイレポートから、『ゼンレスゾーンゼロ』が持つ魅力を垣間見てください。なお、環境はPC版でのプレイとなります。

■●「ホロウ」を中心とする、特徴的な世界観

「ホロウ」に長時間いると、人間は化け物へと転じる

『崩壊:スターレイル』は銀河を駆け巡り、『原神』はオープンワールドと、方向性はそれぞれながら壮大な世界を描く作品でした。ですが、『ゼンレスゾーンゼロ』の時代設定は近未来で、「新エリー都」と呼ばれる街が舞台となります。

 上記の作品と比べると、その規模はやや小さく感じるかもしれません。ですが、迷い込んだ人間が化け物に変じてしまう危険な空間「ホロウ」という自然災害に襲われており、侮れない危険がはびこる世界になっています。

本作の主人公、「アキラ」と「リン」

 そして、この「ホロウ」に迷い込んだ人を助けたり、危険地域の調査から案内役までさまざまな依頼を請け負うのが、主人公である「アキラ」と「リン」の兄妹です。こうした仕事を行う「プロキシ」として「ホロウ」に関わりながら、プレイヤーの目となって物語を見届けます。

 広大な世界を実際に移動する『原神』や、星々を渡る星穹列車に乗る『崩壊:スターレイル』と比べると、『ゼンレスゾーンゼロ』の世界は、「ホロウ」という異変があるものの、それを受け入れた上での日常と非日常で成り立っています。

 そのため、壮大な世界を味わえるとは言えませんが、この「ホロウ」に関わる人間たちの物語を描く本作は、狭い分だけ深みがあり、人間関係も含めた濃密な世界が楽しめる構造になっています。

■●ムービーと一枚絵の「合わせ技」で、ストーリーを雄弁に表現

3Dキャラクターがダイナミックに動くムービーシーンは必見

『ゼンレスゾーンゼロ』の物語は、見ごたえのあるムービーと一枚絵によって、雄弁に表現されます。ムービーシーンでは、登場人物の個性に合わせたアクションも多く、見る者の目を惹きつけます。ですが、一枚絵のこだわりぶりも、決して見逃せないポイントです。

 ムービーのようなリアルタイムなアクションがないため「一枚絵」と表現していますが、動きのないイラストをそのまま出すわけではありません。アニメ調で描かれた絵は、セリフが吹き出しで添えられたり、状況進行に応じてコマ割りが入ったり、キャラクターの表情変化を連続で描画したりと、マンガのような表現でプレイヤーを惹きつけます。

一枚絵の表示も、コマ割りなどで緩急をつけ、見る者を飽きさせない

 また、コマ割りを除いたとしても、1シーンにおける一枚絵の使用枚数はかなり多く、逐次変化する状況に応じて、新しい一枚絵が次々と出てきます。まるで、デジタルコミックそのものを読んでいるような感覚に襲われるほどです。

 かと思えば、ビルからの落下といった激しい動きの場面では、3Dキャラが激しくアクションするムービーシーンへと移行。見せ場によって表現を変えながら展開するストーリーは、こちらの好奇心を心地よく刺激してくれます。

■●街の散策も楽しく、作り込みに満足

一枚絵と3Dムービーの合わせ技で、物語への興味を沸かせる

『原神』や『崩壊:スターレイル』でも定評のある優れたキャラクターデザインは、この『ゼンレスゾーンゼロ』でも健在です。しかも、2Dの一枚絵、ダイナミックなムービー、そして街なかやバトルでお目にかかる3Dモデルなど、その魅力を多彩な切り口で楽しませてくれるのも、本作が持つ魅力のひとつと言えます。

主人公たちがいる街は、活気に満ちている

 主人公は「アキラ」と「リン」ですが、このふたりを直接操作するのは、主に街なかを移動する散策パートに限られます。「プロキシ」の仕事を行う拠点として、表向きはビデオ屋を営んでいますが、このビデオ屋がある街周辺の散策を、プレイヤーの操作で行います。

 この街にはさまざまな施設があり、それらもゲーム攻略に欠かせない重要な要素です。例えばラーメン屋や喫茶店では、戦闘やリザルト報酬が有利になるバフが得られます。お金はかかりますが、手ごわい敵との戦いに備えたり、効率的に報酬が欲しい場合、施設の活用を視野に入れたいところです。

ラーメン屋では、戦闘を有利にするバフを得られる

 またゲーム店では、今回のテスト段階でもふたつのゲームを実際に遊ぶことができました。掘り進める「ソウルハウンドIII」ではアクションパズル的な面白さを、そして限られたスペースで自機を可能な限り伸ばしていく「スネーク・デュエル」では判断力と反射神経が問われるアクション性を、それぞれ味わえます。ゲーム内ゲームながら、かなり凝った作りになっており、単なるミニゲームとは侮れない完成度です。

 このほかにもさまざまな施設が用意されているほか、ふたりに仕事を頼む依頼人や、信頼関係を育むキャラクターとの出会いなど、この世界との接点を感じる要素も詰め込まれています。

 街並み自体も細かく作られており、『ゼンレスゾーンゼロ』への没入感を後押しし、この世界への手応えを感じさせてくれる要素と言えるほどです。この街に馴染んでいくことで、『ゼンレスゾーンゼロ』への愛着が増していくことでしょう。

■アクションに特化した『ゼンレスゾーンゼロ』のゲーム性とその感触とは

「ホロウ」の探索は、2Dマップの攻略から始まる

 危険な地域と化した「ホロウ」の攻略は、ブロック単位で構成された2Dマップから始まります。無害なブロックもあれば、リソースが得られるもの、恐るべき敵が待ち受けているものなど、多種多彩なブロックが待ち受けており、その構成で「ホロウ」の危険度を表現しています。

 あえて一般的なゲームで例えるならば、この「ホロウ」マップは、ダンジョン攻略に当たる部分と言えるかもしれません。ブロックで表現されたルートの先には、宝箱があったり、敵が待ち受けていたり。時には、先を阻むギミックと、それを解除する仕掛けが待ち受けることもあります。

各ブロックの効果は、視覚的に区別がされている

 ブロックで表現された2Dマップの探索は、隠されている部分もありますが、基本的には見た目だけでその内容も判別できます。またギミックも、少なくとも今回のテストの範囲では複雑なものはなく、心地良い程度の思考でクリアできるものばかり。

 個人的な感触としては、ストレスになるほどの複雑さはなく、飽きを感じさせるような単調さでもない、絶妙なバランスだと感じました。ゲーム性の核となるアクションパートに関連付ける要素として、ほどよいスパイス的な存在です。

■●操作はシンプル、なのにアクションは豊富! 心地よいバトルパートがクセになる

小気味よいアクションがクセになるバトルパート

「ホロウ」探索中に出来と出会うと、バトルパートに移行します。ここで操作するのは、事前に編成した最大3人のエージェントたち。「アキラ」と「リン」はあくまでサポート役で、バトル中は編成したエージェントを切り替えながら戦います。

 今回はPC版のプレイだったため、操作はマウスとキーボードで行いました。視点の移動、通常攻撃、回避はマウスで行い、キャラの移動やスキル発動はキーボード側で操作します。

 攻撃の基本は、左クリックによる「通常攻撃」です。連打するだけでコンボが決まるので、簡単操作でも気持ちよく戦えます。また、敵の攻撃を避ける「回避」は右クリックだけでOK。通常の攻撃と避けは、片手の指2本の使い分けだけで済むので、かなり直感的に動かせます。

連係スキルで、エージェントの交代もスムーズ

 また通常攻撃は、単なるコンボだけに留まらず、敵を一時的に行動不能にする「ブレイクゲージ」の蓄積も可能です。このゲージが溜まり切ると、敵は無防備な状態になり、一気に攻めるチャンスになります。しかも、この時に特殊な効果を持つ攻撃を当てると「連携スキル」が発動し、エージェントが入れ替わりつつ強力な攻撃を発動。そのまま再度条件を満たすと、再度「連携スキル」が発動します。

 しかし、こうした説明だけだと、どんなプレイ感なのか逆に想像しにくいことでしょう。そこで、ここまでの情報を前提にしつつ、実際のプレイ感を再現しながらお伝えします。まず、敵と出会ったら通常攻撃。近接系のエージェントでもある程度踏み込んで攻撃してくれるので、多少距離があっても問題ありません。

モーションからスキルまで、エージェントごとに異なる

 左クリックを連打するだけで、さまざまなモーションで繰り出す連続攻撃に繋がります。ただし、敵は複数で登場することが多く、ただ連打しているだけでは格好の的。攻撃しつつも、敵の攻撃を見極めて右クリックでの回避が基本です。

 敵が攻撃する際は予兆があるので、それに合わせて動くと避けやすくなります。また、回避成功直後に攻撃を行うと、特別な効果を持つ反撃になるので、戦いはより有利に。

 こうして攻撃を繰り返し、「ブレイクゲージ」を溜めきると、敵が無防備になります。ここでさらに攻撃を重ねていくと「連携スキル」が発動し、エージェントが3人いる場合はどちらにするか選べます。選択後は強力な攻撃を放ちつつ、選択したエージェントにチェンジ。近接から遠距離に切り替えたり、広範囲を攻撃できたりと、組み合わせ次第で戦略が一気に広がります。

遠距離のエージェントも、演出のおかげで爽快感がある

 戦局が次々に変化していきましたが、この流れで最低限操作するのは、マウスの右ボタンと左ボタンだけ。特殊なスキルの発動、立ち位置の移動、任意でのエージェント切り替え等はキーボード側の操作も必要ですが、攻撃と回避だけならマウス側のボタンのみで事足ります。

 それでいて、ブレイクゲージ溜めや連携スキル発動、エージェントのチェンジなど、視覚的な変化も大きく、バトルの上でも有効な効果が得られるので、労力に対する爽快感の大きさは想像以上。「簡単操作で気持ちいい」という定番の売り文句を、これ以上ないほど爽快かつ豪華に体験させてくれます。

 それでいてアクション性が低いかといえば、それは全く違います。安易な攻撃連打だけでは、あっさりと返り討ちにあいます。戦況に応じた判断を下しつつ、その実行は直感的でシンプルな操作で可能。この両立こそが、『ゼンレスゾーンゼロ』における最大の魅力だと感じました。

『ゼンレスゾーンゼロ』は、アニメ調な世界を2Dと3Dの両面で丁寧に描く

 ビジュアルから物語の描写までこだわりが感じられ、狭いながらも濃密な世界にいる実感や、手応えのある「ホロウ」攻略が楽しめる『ゼンレスゾーンゼロ』。特に、核となるアクションパートの気持ちよさは、テスト版の範囲でも十分伝わる刺激的な体験でした。

 ですが、全てにおいて満点、と言えない点もいくつかありました。まず、キャラクター同士のやりとりは、本作独自の専門用語も多く、すんなりと頭に入ってくるとは言えません。

「アキラ」と「リン」は、個性もしっかりと確立している

 また、「アキラ」と「リン」は周囲にいるキャラクターとの人間関係がすでに出来上がっているので、全く知らないプレイヤー視点だと置いてけぼりになる感じも少なからずありました。

 バトル中のアクション全般は良く出来ていますが、攻撃を回避を行うマウスで視点移動も行うため、視点変更時はどうしても攻撃などが疎かになりがちでした。また視界外からの攻撃も多く、一応予兆はあるとはいえ、避けにくいのも事実でした。

 こうしたいくつかの問題点もありましたが、バトルに関してはコントローラー対応だけでかなり遊びやすくなりそうです。専門用語や人間関係は、遊び続けていくうちに慣れていく範疇かもしれません。

エージェントの数だけ、組み合わせの楽しさが増えていく

 こうした細かい点を除けば、シンプルな操作から想像がつかないほど、『ゼンレスゾーンゼロ』は多彩なアクションで楽しませてくれました。その楽しさは、エージェントが実装されるほど、さらに盛り上がっていくことでしょう。本作の将来性を十分感じさせてくれる、そんなデータテスト体験になりました。

(臥待)

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