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『呪術廻戦』に影響も? 良い意味で「作画崩壊」だったアニメ3選

マグミクス / 2024年3月6日 21時50分

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■異形じゃなきゃ「ドアンザク」じゃない!

 アニメ界隈における「作画崩壊」といえば、もっぱらネガティブな意味で使われています。ですが実はそうした作画には、マニアックなこだわりが隠されていたり、神アニメーターの超絶技巧が仕込まれていたりすることもしばしばです。アニメファンたちの間で賛否を巻き起こした作品をあげていきます。

●伝説のドアンザクが誕生した『機動戦士ガンダム』

 愛すべき作画崩壊を語るうえで、まず欠かせない作品といえば初代『機動戦士ガンダム』でしょう。第15話「ククルス・ドアンの島」では、無人島の残敵掃討を命じられたアムロが、戦災孤児たちをザクで守り続けていたジオン軍の逃亡兵、ククルス・ドアンと出会う物語が展開されていきます。

 同エピソードに登場する機体は「ガンダム」と「ザクII」ですが、いずれも他の回とは大きく異なる見た目となっています。特に「ザクII」の方はスラリとしたボディにのっぺりと面長な目鼻立ちとなっており、ファンの間で作画崩壊の代名詞として語り継がれているほどです。

 ですが、そんな作画の異変になぜか心を惹かれてしまう人も多く、今ではドアンが乗っていた機体は「ドアンザク」という愛称を付けられて愛されています。2022年にリニューアルされた劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』には、異形のザクをリファインした「MS-06F ドアン専用ザク」が登場し、当時大きな話題となりました。なんでも劇場版スタッフから「ドアンザクは異形じゃないといけない!」というアツい打診があったのだとか。

 さらに「BANDAI SPIRITS」から長い鼻がしっかり再現された「HG 1/144 ドアン専用ザク」が発売されると、瞬く間に完売しました。再販が何度も行われるなど、今もなお「ドアンザク」は多くの人から愛され続けています。

●高度すぎる演出に置いてけぼり? 『鉄腕バーディーDECODE:02』

神アニメーターたちが豪華共演! 画像は『鉄腕バーディー DECODE:02』DVD 1巻(アニプレックス)

 演出意図としてあえて作画を崩し、話題となったのは『鉄腕バーディーDECODE:02』です。ゆうきまさみ先生のマンガを原作としたアニメ『鉄腕バーディー DECODE』の第2シリーズにあたり、第7話「We Will Meet Again」で、その事件が起きました。

 同話は主人公であるバーディーの記憶のなかに、もうひとりの主人公である千川つとむがダイブするというエピソードで、中盤まではいつも通りの作画で物語が展開されていきました。しかし途中から画面の雰囲気が一変、全体的にキャラクターのシルエットが崩れ、下書きのような作画となったのです。もちろん、この回は激しく物議を醸し、拒絶反応を示す人も少なくありませんでした。

 しかし、もともと同アニメはいわゆる「神アニメーター」が数多く参加し、実験的な表現を試みたことで知られており、『呪術廻戦』の作者である芥見下々さんがリアルタイムで視聴し大きな影響を受けたともいわれています。

 第7話で物議を醸したパートもあえてアニメーターを自由に暴れさせる意図があったらしく、山下清悟さん、沓名健一さん、仁保知行さんのエネルギッシュな作画を堪能できる貴重な映像となっていました。

 ちなみにこの回に携わっていた山下さんは、後に芥見さんからの直々のオファーによって『呪術廻戦』のOPディレクターを務めています。

■1話ごとに作画が違う? 令和に復活した名作も

作画監督によってラムちゃんの顔が違う? 画像は『うる星やつら』完全生産限定版 Blu-ray Disc/DVD BOX 2(アニプレックス)

●いろいろなラムちゃんを楽しめる『うる星やつら』(1981年版)

 『うる星やつら』の魅力といえば、やはりヒロインであるラムちゃんのかわいさにあるでしょう。しかし1981年から放送された旧アニメ版のラムちゃんは、ときに目がつり上がっていたり、輪郭がぽっちゃりしていたりと、作画監督によってデザインが大きく異なっていました。もし今放送されていたら、「作画崩壊」と呼ばれるレベルかもしれません。

 しかし違いが分かるアニメファンは、これを「誰のラムちゃんが好きか?」という話題で盛り上がれるほど自然に受け入れていたようです。顔つきは異なるものの、あくまでアニメーターの個性が反映されたものであり、それぞれ魅力的なラムちゃんだったことは間違いないからでしょう。

 なかでも森山ゆうじさんと土器手司さんが作画監督を務めたラムちゃんが人気のようで、ネット上には「やっぱり森山ゆうじさんの目がきらきらしたラムちゃんが最強」「土器手司さんが描くラムちゃんはめちゃくちゃ美人で好き」といった声が多くあがっていました。

 ちなみに森山さんはのちに、かの有名な劇場版『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』にて、山崎和夫さんと連名で作画監督を務めています。

 自然で整った作画は多くの人に受け入れられますが、アニメーターの個性が爆発した作画や、視聴者にエネルギーが伝わってくる作画も負けず劣らず魅力的です。「これって作画崩壊?」と思うことがあっても、演出意図などに想いを馳せることで、もっとアニメを見るのが面白くなるかもしれません。

(ハララ書房)

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