『ワンピ』黒ひげは海賊たちの憧れ？ 最新展開で「成り上がり人生」に再注目

■「ヤミヤミの実」に賭けた執念

※この記事では『ONE PIECE』単行本未収録の内容を含みます。

　尾田栄一郎先生による大人気マンガ『ONE PIECE』1107話で、ある事実が明らかになり、重要キャラの黒ひげことマーシャル・D・ティーチがまたも注目を集めています。最終章でも彼本人や仲間が物語をかき回していますが、今回は何があったのでしょうか。

　1107話では、しばらく姿をくらませていた海賊のカリブーがエッグヘッドに現れ、何らかの目的で島に来ていた黒ひげ海賊団のカタリーナ・デボンとヴァン・オーガーに接触します。そこで彼が、黒ひげに憧れて海賊になったことが明かされました。なぜそこまで憧れているのか詳細は不明ですが、この事実にネット上では「カリブーなら確かに憧れそう」「海賊としてはむしろ100点だもんな」という反応も出ています。

　極悪非道な行為を繰り返してきた黒ひげですが「自分が海賊だったら」と考えると、たしかに黒ひげの功績は他の海賊が憧れてもおかしくないことが分かります。

　黒ひげは己の野望のためには手段を選ばない、まさに極悪非道といえる海賊です。しかし、海賊はもともと船を襲って暴行や略奪などの行為を働く犯罪者であり、黒ひげの行動は海賊として真っ当なものだという考え方もできます。

　そんな黒ひげは子供のころに白ひげ海賊団に加入し、20年以上も白ひげ海賊団の一員として航海をしていました。白ひげ海賊団に在籍していた当時は、のちに戦うことになる2番隊の隊長であったエースの部下です。

　コミックス45巻で、彼が白ひげ海賊団に在籍していた理由は「ヤミヤミの実」が入手できる確率が一番高いと考えたからだったことも明かされており、この時点で黒ひげの計画能力の高さがうかがええます。また、黒ひげは、白ひげ海賊団の4番隊隊長だったサッチがヤミヤミの実を入手すると、サッチを殺してまで手に入れるといった恐ろしいほどの執着心を見せ付けました。仲間殺しは白ひげ海賊団でご法度であり、この出来事をきっかけに黒ひげはエースに追われることとなります。

　その後、黒ひげは「黒ひげ海賊団」を設立してチョッパーが住んでいたドラム王国を滅ぼし、自身を追ってきたエースとバナロ島で決闘を行って返り討ちにします。そして黒ひげはエースの身柄を政府に引き渡し、見事王下七武海入りを果たしたのでした。

　七武海入りした後の黒ひげは、その地位と仲間の能力を巧みに使い大監獄インペルダウンへ潜入し、LV6に凶悪犯として収監されていたシリュウやデボンら、実力者の凶悪犯たちを仲間に引き入れ、マリンフォードで行われた頂上戦争へと乗り込みます。

　そして、頂上戦争で、黒ひげは海軍と白ひげ海賊団が疲弊しきった後に登場しました。死んだ白ひげから謎の方法で「グラグラの実」の能力を奪った彼は、「俺の時代だ」と宣言をした後に海軍本部を崩壊させます。まさに漁夫の利を得たと言える行動です。

　それから1年後には白ひげ海賊団との「落とし前戦争」で1番隊隊長のマルコを倒し、革命軍の本部であるバルティゴも崩壊させるなどの成長ぶりを見せました。その後、黒ひげは四皇と呼ばれるまでに成り上がり、瞬く間に世界から脅威とされる存在になります。

　このように「裏切り」などの卑怯な行為をいとわず、さらに実力でも強者をねじ伏せている黒ひげは、まさに「海賊」らしい成りあがりキャラといえるでしょう。カリブーに同じ芸当ができるかは微妙ですが、彼のような男が憧れるのも納得です。

　また、黒ひげは「人の夢は!!! 終わらねェ!!!!」「この世に不可能という事は何一つねェからな」と、ロマンチストとして数々の名言を残し、インペルダウンでマゼランの毒攻撃を食らってシリュウに助けられた際は「「死ぬも生きるも天任せよ 恐れた奴が負けなのさ」と、死にかけながらも大物らしいセリフも飛ばしています。

　ネット上では「一番海賊らしいから好感持てる」「実績があまりにもスゴイ」「運任せな部分もあるのがかっこいい」「なんだかんだ仲間想いなところも好き」と、その「海賊っぷり」を評価する声も多く見られました。

　泣いて子分にしてほしいと請うほど黒ひげに憧れを抱いていたカリブーは、おそらく今後彼が仕入れている「古代兵器ポセイドンとプルトンの在処」の情報を黒ひげたちに話すと思われます。重要な情報を手に入れた黒ひげが今後どう立ち回るのか、要注目です。

（LUIS FIELD）