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「グロではないけど」「こびりつくトラウマ」 じわじわ怖い海外アニメ映画

マグミクス / 2024年3月25日 19時25分

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■かわいい絵柄で描かれる核の恐怖

 年に何本か公開される独特な海外アニメ映画のなかには、かわいらしい絵柄ながら、子供に見せられない、大人が観ても考えさせられる内容のアニメ映画も存在します。今回は、そんな観る人を選んでしまう少しダークな海外アニメ映画を振り返ります。

●『風が吹くとき』

『風が吹くとき』は、「スノーマン」シリーズで知られるイギリスの作家レイモンド・ブリッグズ氏のマンガが原作の長編映画化作品です。戦時下の平凡な老夫婦に焦点をあて、「核の恐ろしさ」や「戦争」などメッセージ性の強い内容を描いています。

 世界情勢が悪化し、近々戦争が起こることを知った老夫婦のジムとヒルダは、核ミサイルの着弾に備えてシェルターを作ることにしました。しかし、想定よりも早く戦争が開戦され、ふたりはなんとかシェルターに入るも核ミサイルによる放射能で身体をむしばまれていきます。

 かわいらしいタッチの絵柄である分、容赦のない戦争と核の脅威が強烈な印象と恐ろしさを感じさせられる作品です。また、ジムとヒルダは放射能による体調不良が起きても、「時間が経てばすぐに治る」「政府が助けをよこしてくれる」とどこか楽観的な姿勢で、そのまま弱っていくのがじわじわと恐怖をあおります。

「どんどん衰弱していく姿が怖い」「核兵器に関してタイトル通り『風』しか描かれないからこそ、後々の悲劇がキツい」「激しいシーンはないものの気持ちが落ちる作品」と、多くの人に強烈なインパクトを植え付ける作品となりました。

●『しわ』

 スペイン人漫画家のパコ・ロカ氏によって2007年にフランスで刊行された『皺』を原作とした『しわ』は、高齢者の老いや認知症について取り上げた作品です。同作は2011年にアニメ映画化されました。

 老人ホームで生活する人びとを描いた『しわ』は、アルツハイマーや認知症の人びとが見る世界を生々しく表現しています。何度も同じ話をする人や、自分の私物を隠したと他の同居者を疑うも、実は自身が無意識に物を移動させ隠していた場面など、「老いには勝てない」ことをまざまざと突きつけられる内容です。

 温かみのある絵柄で描かれるリアルな「老い」の問題には、家族や自分の今後の姿を想像してしまいゾッとする人も多いのではないでしょうか。グロテスクな描写はないものの、鑑賞後に心がソワソワして、得体の知れない不安感に襲われる作品です。

 ネット上では「自分の親を想起させて耐えられなかった」「老いは誰しも経験するけど自分が誰かわからなくなるのは本当に怖い」「脳内でだけ若い時のままでいる場面はアニメでやるには最適」といった声が出ていました。

●『ファンタスティック・プラネット』

 1973年に製作されたルネ・ラルー監督によるフランスのアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(原作:ステファン・ウル)は、ジャケットから強烈なインパクトを与える伝説的なカルトアニメです。

 同作はイガムという惑星を舞台に、赤い目を持つ青い巨人ドラーグ族と人間に近い身体をしているオム族との戦いを描いています。ドラーグ族から虫けらのように扱われ、ペットとして飼育されていたオム族が、仲間と力を合わせて反旗をひるがえすのが本作の見どころです。

 また、真っ青の皮膚で目だけが赤いドラーグ族の独特なビジュアルは不気味そのもので、一度見たら絶対忘れられない見た目をしています。そんなドラーグ族が、オム族を淡々と踏み潰して殺すシーンなどはなんとも言い難い残酷さを表し、恐怖を感じる人も多いでしょう。また、ルネ・ラルー監督の独特な「切り絵アニメーション」の手法も、本作の不気味さを強くしています。

 視聴者のなかでは「怖いけどどこかクセになる作品」といった声があり、本作の気味の悪さをあえて楽しんでいる人もいれば、本気で怖がってトラウマになった人もいるようで、どちらにしろ強烈な作品として知られることとなりました。

 上述した作品以外にも、ぎょっとしてしまう内容の海外アニメ映画は多々あります。いつもと違う少しダークな雰囲気の作品を観て、感傷に浸るのもいいかもしれません。

(LUIS FIELD)

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