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漫画原作者・小池一夫氏の一周忌 高橋留美子、堀井雄二…教え子がエンタメ界を席巻

マグミクス / 2020年4月17日 8時50分

漫画原作者・小池一夫氏の一周忌 高橋留美子、堀井雄二…教え子がエンタメ界を席巻

■あまりにも大きかった小池一夫氏の影響

 2019年4月17日にマンガ原作者の小池一夫氏が83歳で亡くなり、一周忌を迎えます。『子連れ狼』(画: 小島剛夕)や『クライング フリーマン』(画: 池上遼一)など膨大な数の作品を執筆するかたわら、「小池一夫劇画村塾」を設立し漫画家の高橋留美子氏や原哲夫氏、板垣恵介氏、山口貴由氏、ゲームデザイナーの堀井雄二氏やさくまあきら氏など多くの後進を育成。日本のマンガ、ゲームに強い影響を与えました。最初に小池一夫氏の存在を意識したのがOVA版の『クライング フリーマン』だったライターの早川清一朗さんが追悼します。

* * *

 中学から高校の頃、よく友人と一緒にレンタルビデオ店に行き、めぼしい作品を借りてみんなで見るという休日を過ごしていました。そのとき、たまたま見たのが『クライング フリーマン』でした。

 誰が借りようと言い出したのかもうまったく覚えていませんが、それまで見ていた少年マンガとは一味違うバイオレンス&エロスに目が釘付けになっていたような気がします。『北斗の拳』にレイがマミヤの服を切り刻むシーンがありますが、それの年長向けバージョンのような感覚を覚えたのです。後に原作者の小池一夫氏が、『北斗の拳』の作画を担当した原哲夫氏の師匠だったことを知り、なるほどと納得した記憶があります。

 その後、特に小池一夫氏を意識することはなく数年が経過した頃、筆者がたまり場にしていた友人宅を訪れたところ、本棚に『子連れ狼』や『乾いて候』の文庫版が追加されていました。原作者には、小池一夫氏の名が刻まれており、「あ、この作品って小池一夫さんが原作なんだ!」と驚いた覚えがあります。これらの作品は筆者が幼少の頃にドラマ化されており、当然何度も見ていたのですが、原作者が誰なのかまったく気にしてはいませんでした。この時初めて、筆者は自分の子供の頃からの記憶に、小池一夫氏の作品群が刻み込まれていることに気付かされたのです。

■教え子たちがエンターテイメントを席巻していた

『子連れ狼 一殺五百両編』(主婦の友社)

『子連れ狼』を手に取り読み進めた筆者は、今まで読んでいた少年マンガとは一味違う人間臭さと殺伐さ、容赦なさにグッと引き込まれるものを感じました。子供、若者が主人公になることが多いマンガの世界で、これほどまでに大人の存在感を感じさせる作品があったのかと、古い作品でありながら、まったく新しい世界を教えられた気分になりました。それから小池一夫氏の作品を追いかけるようになり、いろいろな作品を読むうちに、小池氏が「小池一夫劇画村塾」というクリエイターの養成塾を開いていたことを知ったのです。

「劇画村塾」の出身者は1980年代から現在に至るまで、数多くの傑作、名作を生み出しています。

 小池氏の教え子のひとりである漫画家の高橋留美子氏は、『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』など時代の代表作と言える作品を世に送り出しました。原哲夫氏が描いた『北斗の拳』や『花の慶次』は、筆者にとって少年の頃のバイブルと言える存在です。

『グラップラー刃牙』の板垣恵介氏や『覚悟のススメ』の山口貴由氏も、やはり小池氏の教え子です。小池氏の教えはキャラクター重視で「キャラが起ってないとだめ。キャラが起ってれば面白いマンガ」と一貫しており、思い返せば高橋氏、原氏、板垣氏、山口氏、いずれの作品を見返してみても、強力かつ印象的なキャラクターが必ずと言っていいほど存在しています。

 また、ゲームデザイナーの方面でも、『ドラゴンクエスト』シリーズの堀井雄二氏や『桃太郎電鉄』シリーズのさくまあきら氏、『メタルマックス』シリーズの宮岡寛氏など、多くの教え子がジャンルを代表するレベルの傑作を輩出しています。

 他にも多くの教え子がクリエイターとして現在も活躍中ですが、名前を書くだけでものすごい文字量になるのでこのあたりにしておこうと思います。

 小池氏は80歳を超えてなおTwitterを使いこなし、アプリ『艦隊これくしょん』の「江風」をお気に入りと発言するなど、最後まで好奇心を失わなかった偉大なるクリエイターでした。ここに哀悼の意をささげたいと思います。

(ライター 早川清一朗)

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