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今夜の金ロー『名探偵コナン 紺青の拳』 怪盗キッドは歴史上に実在した!?

マグミクス / 2020年4月17日 12時10分

今夜の金ロー『名探偵コナン 紺青の拳』 怪盗キッドは歴史上に実在した!?

■江戸川コナンのライバルで、よきパートナー

 シリーズ最大のヒット作となった劇場アニメ『名探偵コナン 紺青の拳』(2019年)が、2020年4月17日(金)21時から「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)でテレビ初放送されます。シリーズ第22作となった『紺青の拳』は、主人公・江戸川コナン(CV:高山みなみ)に加え、コナンの好敵手である怪盗キッド(CV:山口勝平)も大活躍します。

 シリーズ初となる女性監督・永岡智佳さんが起用され、蘭(CV:山崎和佳奈)の親友・園子(CV:松井菜桜子)と高校生格闘家・京極真(CV:檜山修之)との胸キュンなラブロマンスも見どころです。シンガポールを舞台に、「紺青のフィスト」と呼ばれるブルーサファイアをめぐるミステリーが張り巡らされ、アクションシーンも満載。興収はなんと93.7億円を記録しました。

 神出鬼没な怪盗キッドですが、彼はいったい何者なのでしょうか。原作者・青山剛昌氏のファンなら言わずもがなですが、青山氏の初めての連載漫画『まじっく快斗』の主人公・黒羽快斗がその正体です。『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(1999年)にゲストキャラとして登場して以来、時にコナンのライバルであり、時に共闘して凶悪犯罪に立ち向かいます。コナンの本来の姿である高校生・工藤新一にも、たびたび変装します。悪と善の二面性を持つ興味深いキャラクターです。

■「悪の天才」モリアーティ教授のモデル

 暴力を嫌い、盗みを芸術的行為と考えるキッドですが、彼のような犯罪美学を持った怪盗は実在するものでしょうか。文献を調べてみたところ、「怪盗」は歴史上に存在しました。まずは「犯罪界のナポレオン」と呼ばれたユダヤ系米国人のアダム・ワースを紹介しましょう。

 アダム・ワースは19世紀後半に、米国から欧州を股にかけて暗躍しました。暴力を使うことを好まず、頭脳を使って、次々と宝石類を盗み出しました。仲間を見捨てない、律儀な性格だったそうです。作家のコナン・ドイルは彼をモデルにして、『名探偵ホームズ』に登場する「悪の天才」モリアーティ教授を創作したと言われています。

 アダム・ワースの名前をより有名にしたのは、1876年にロンドンの画廊から絵画「デヴォンシャー公爵夫人」を盗み出した事件でしょう。アダム・ワースは警備の厳しい画廊から、大きな額に収まっていた絵画を取り出し、くるくるっと丸めて外へ運び出したそうです。絶世の美女と謳われた公爵夫人の肖像画を、彼は25年間にわたって大切に保管し、自身の死期を悟ると画廊に返却を申し出ました。その際の彼の言葉は「この夫人は家へ帰るべきだと思うんだが」でした。かなりのシャレ好きだったようです。

■犯罪者と探偵、ふたつの顔を持つ男

アニメ『まじっく快斗1412』 (C) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・A-1 Pictures 2014

 泥棒でありながら、難事件も解決してしまうという怪盗キッドの二面性を連想させる、犯罪界のビッグネームも実在しました。フランスで世界初の探偵として活躍したフランソワ・ヴィドック(1775年~1857年)は、実は長きにわたって牢獄で暮らした経験を持っていました。獄中で多くの裏社会の住人たちと知り合い、変装術や脱獄のノウハウを学んだそうです。

 ヴィドックは豊富な犯罪知識を見込まれ、パリ警視庁の重要な情報提供者となります。やがて国家警察パリ地区犯罪捜査局の初代局長を務めた後、私立探偵として独立し、売れっ子になっています。「蛇の道は蛇」という言葉がありますが、犯罪心理に詳しいヴィドックは優秀な探偵だったに違いありません。

 入獄をきっかけに数奇な人生を歩んだヴィドックの逸話をもとに、文豪ヴィクトル・ユゴーは『レ・ミゼラブル』を執筆したと言われています。また、フランスの人気俳優ジェラール=ドパルデューが主演した犯罪ミステリー映画『ヴィドック』(2001年)なども制作されています。

■大金と共に大空を舞った伝説の男

 怪盗キッドを語る上で、もうひとり注目の人物がいます。こちらはぐっと現代に時代が近づいて、1971年にスーツ姿で米国の旅客機をハイジャックしたダン・クーパーです。彼は身代金20万ドル(日本円で1億円相当)の入ったバッグを持って、高度一万フィートの上空を飛んでいた旅客機から飛び降ります。パラシュートを使って、そのまま逃亡。FBIが全米中を捜査しましたが、事件は未解決となっています。

 スーツ姿で旅客機から飛び出すという大胆不敵さから、ダン・クーパーは米国では伝説の犯罪者として語られています。ダン・クーパーが森に隠したと言われる大金を探しに冒険するコメディ映画『トレジャー・ハンターズ』(2005年)が作られるなど、いろんな作品のネタにもなっています。

 大空を舞ったダン・クーパーの伝説は、ハングライダーを使って空を飛ぶ怪盗キッドを彷彿させるものがあります。世間の常識に縛られずに、もっと自由に生きてみたい。現代人が抱くそんな夢をスクリーン上で叶えてくれるのが、怪盗キッドなのかもしれません。

 正義のヒーローである江戸川コナンと闇の世界に生きる怪盗キッド。表裏一体の関係にある両者は、人気漫画家・青山剛昌氏が生み出した一卵性双生児のような存在ではないでしょうか。

(長野辰次)

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