1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. ゲーム

エンディングで号泣した『大神』 ギネス認定の和風3Dアクションが秘める真価

マグミクス / 2020年4月20日 8時50分

エンディングで号泣した『大神』 ギネス認定の和風3Dアクションが秘める真価

■和のテイストを重んじた"ネイチャーアドベンチャー"

 2006年4月20日にプレイステーション2用ソフト『大神(おおかみ)』が発売されてから、早いもので14年が経とうとしています。本来ならば節目として相応しい15周年のタイミングで筆を取るべきかもしれませんが、あえて1年早い2020年に、和のテイストを重んじた”ネイチャーアドベンチャー”の真価を振り返りたいと思います。

 本作は読んで字の如く、”オオカミ”が主役を飾る3Dアクションアドベンチャーです。といってもただのオオカミではなく、日本古来より伝わる神秘的な力を宿した天照大神(アマテラス)そのもの。美しい白毛と体躯に刻まれた隈取は神々しく、三種の神器(剣・鏡・勾玉)を振るって戦う姿は勇猛果敢。それでいて平常時はどこか抜けており、人懐っこい愛玩犬を彷彿とさせる仕草がギャップとして魅力的に映ります。

 そんなアマテラスの相棒として同行するのは、コロポックルのイッスン。作中では人語をしゃべることができないアマテラスをサポートし、ストーリーの語り手となって旅を賑やかに盛り上げます。

 作中のグラフィックも美しく、水墨画と浮世絵を体現した表現力は圧巻のひと言に尽きます。また開発者の神谷英樹氏曰く、「当初は人間が登場せず、オオカミの群れが大自然を駆け巡るシミュレーション仕立ての内容だった」(当時のインタビューより)とのこと。そこから神話や昔話にちなんだキャラクターが登場し、妖怪の出現で沈んでしまった世界を正す作風へとシフトしていきました。

 本作はその後「日本ゲーム大賞優秀賞」を受賞。2018年には”動物キャラが主役の最も評判が高いゲーム作品”としてギネス認定を受けたことからも、アマテラスの活躍は国内外において高く評価されているようです。

■想いを抱えて立ち上がるアマテラスに涙があふれた

 筆者が『大神』を手に取ったのは、発売間もない2006年の5月。最初は某ゲーム雑誌の紹介記事を頼りに購入し、おそらく多くのユーザーと同じように鮮烈なビジュアルとゲーム性に自然と惹きつけられていきました。

 神様として復活を遂げる導入パート、スサノオの覚醒っぷりに感嘆したヤマタノオロチ討伐、半獣人として気高い精神を持つオキクルミとの共闘など、各局面はどれも思い出深いものばかり。ただうれしい、楽しいといった感情が湧き上がるだけではなく、とあるシーンで悲痛な最期を遂げた女性キャラの亡骸を見た際は、なんとも虚しい気持ちに襲われたのです。

 そしてこの感情は、ラスボス?エンディングへ至る一連の流れで氾濫。こみ上げるというより、まぶたから止めどなく涙が流れ落ちていきました。

 世界を闇で覆いつくさんと胎動する巨悪に立ち向かうも、内に秘めた力を全て吸収されてしまうアマテラス。これで世界は闇に閉ざされてしまうかと思いきや、イッスンの尽力によって世界中の想いが見事に集約。人々と紡いできた力に応えてアマテラスは復活を果たし、最終決戦に臨む……。

 遠く離れた地でアマテラスの雄姿を伝えて回るイッスンと同様、ラスボスの攻撃を代わりに受け止め、奈落の底へ沈んでいくウシワカの姿も涙を誘います。彼が自身の罪を認めた上で残したセリフと、エンディングテーマ『Reset』(歌:平原綾香)の終盤に込められた"悲しみをResetして”という歌詞はリンクしていると言っても過言ではないでしょう。

 世界観、ストーリー、ビジュアル、ゲームシステム、音楽、登場キャラクター等々、ゲーム作品に不可欠な要素が高次元に組み合わさり、情緒あふれる和風エンターテインメントとして世に送り出された『大神』。しばらく続編は出ていませんが、もう一度アマテラスと一緒に旅に出たいと期待を込めつつ、シリーズの再始動を気長に待ち続けようと思います。

(龍田優貴)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください