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『紅茶王子』ティーカップから王子様2人? イケメンに想われる、23年前の名作

マグミクス / 2020年6月15日 12時10分

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■3人のイケメンに想われる主人公

 少女マンガ『紅茶王子』(作:山田南平)は、1996年に連載が開始され、全25巻で完結済の人気少女マンガです。総合電子書籍ストア「BookLive!」では2020年6月18日(木)までの限定公開期間中、10巻まで無料公開されており、SNSでも「小学生時代から大好き」「青春ドストライク」と評判です。今回はそんな同作について紹介します。

 風早橋学院中等部3年生の吉岡奈子(よしおか・たいこ)は、部員数3名のお茶会同好会の部長。副部長の染谷雪子(そめや・ゆきこ:通称そめこ)、幼馴染の内山美佳(うちやま・はるか)と夜、学校の屋上でお茶会をしていたら、ティーカップのなかからふたりの小さな王子が現れて……?

 実は、「満月の夜、紅茶に月を映してスプーンでゆっくりかき混ぜひとくち飲むと、紅茶の妖精が現れて貴方の恋を叶えてくれる」というおまじないをしたかったそめこ。そのもくろみはばっちり当たり、「紅茶王子」と名乗るアッサム・アールグレイのふたりの王子が現れたのです。「それぞれ願いを3つ叶えないと帰れない」というふたりは、同好会の3人と同じ学校に通い、一緒に生活するようになります。

 一番の見どころは、性格が正反対の王子ふたりと幼馴染の美佳の3人が、奈子を想うところです。しかも全員タイプの違うイケメンで、奈子が誰を選ぶのか、どんなアプローチをされるのか……うらやましく思いながらも目が離せません。特に王子ふたりは、最初手乗りサイズのかわいらしい姿ですが、人間の大きさにも変身できます。アッサムはぶっきらぼうであまのじゃく、アールグレイは紳士で優しい性格で、ふたりとも同級生がざわつくほどの美形です。ふたりを見ているだけでも目の保養になります。

 また、奈子がどんな願いを叶えてもらうのかにも注目です。文化祭の場所取りを生徒会に邪魔され、ここで願いを使うのかと思いきや「魔法なんかでズルして叶えて何になるのよ」と奈子は怒ります。実は、奈子のお父さんは喫茶店のマスターをしていて、1年前に交通事故で亡くなっていたのです。それがきっかけで同好会を作った奈子は、大好きなお父さんとの思い出を大事にするあまり、魔法になかなか頼れません。3人は無事、文化祭に出られるのでしょうか。

 24年前に始まった連載とは思えない美しい絵柄に加え、セリフの書き込みも多く、読み応えのある作品です。続編『桜の花の紅茶王子』もあるので、気に入ったら続きが長く楽しめるのもうれしいですね。巻末には紅茶の美味しい淹れ方も詳しく紹介されており、勉強にもなります。おいしい紅茶とお菓子を用意して、ゆっくり読んでみるのもおすすめです。

(新美友那)

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