男性「避妊しなければ子供ができると…」“妊娠できるか検査”をして分かった事実
マグミクス / 2020年8月14日 15時10分
■自分たちは、いつでも子供を授かれるのか?
実際に不妊治療を行った人々の話を聞くと、「学校教育や普通の生活で得られる知識だけでは足りない」という声を耳にします。晩婚化と言われる現代ですが、若いうちに妊娠や不妊治療について詳しく知っていれば、仮に今は子供が欲しくなかったとしても、望んだときにいつ頃までにどうしたら良いのかを考える指標にもなります。人生設計にも役立ちますし、妊娠できる状態をつくるという目線で体を整えることで、いざというときの選択肢が増えるのも事実です。
いわゆる「妊活」経験者及び、現在「妊活」をしている20~50歳代の女性750名に対して行った『妊活・不妊治療に関する意識調査』(2018年12月実施)(株式会社F Treatment)によると、不妊治療を行う医療機関への通院を始めるまでに1年以上かかった理由について、「自分が不妊だとは思っていなかった」と回答した人は、62.7%、不妊治療病院への通院と仕事の両立における課題感について、「職場で休みを取ることが一般的ではなく休みづらい」と回答した人は、46.7%でした。
このように、直面して初めて知ることの多い不妊治療の現実。2020年8月6日(木)に発売されたコミックエッセイ『「妊娠できるか検査」に行ってみた 20代でも要注意! 知っておくべき妊娠・不妊・避妊』(著:森瞳、マンガ:みくに、監修:斎藤英和/KADOKAWA)の著者、森瞳さんもそんなひとりでした。
29歳で結婚した森瞳さんは、「子供は35歳くらいまでにそのうちできれば」と考えながらも、あるきっかけで32歳のとき「妊娠力を調べられる検査」に行きます。そこで自分たちが ”不妊”であるという、想定外の事実に直面……というところから物語が始まります。
不妊治療を経験するなかで初めて知った”妊娠に関する多くの知識”は、「もっと早く知りたかったし、もっと早く検査に行けばよかった」と思うことがいっぱいでした。森瞳さんはその経験から、既婚・カップル・独身を問わず、男女ともに知るべき今さら聞けない性の基本から不妊について、体験マンガと生殖医療専門医との対談によって伝えています。
■「妊娠できるか検査」と聞いて何を思い浮かべる?
『「妊娠できるか検査」に行ってみた 20代でも要注意! 知っておくべき妊娠・不妊・避妊』(KADOKAWA)
実際に不妊治療で病院に通うことになると、どんな治療をするのかによって違いはありますが、診察台での診察・痛みを伴う検査・体外受精の採卵の時の不安な気持ち・薬の副作用で体が辛い・婦人科系の病気が見つかって手術が必要になる・不妊治療を理由に会社を休めない、など……乗り越えなくてはならないことがたくさん。そして、それらを経ても妊娠できない人もいるのも事実です。
しかし、不妊治療の病院に通い自分の状態を知ることで、現代の医学によって克服できる可能性も大いにあります。筆者の友人には、病院へ行き検査をしたところ、卵管が詰まっているということが分かり、体外受精を選択して子供を授かったという例もあります。
また、男性には「避妊しなければ子供ができると思ってた!」という人も意外と多いようで、「不妊について知っていればもっと早くに結婚していた」という意見もありました。妊娠する身体のメカニズムは、女性でも不妊治療を始めなければ詳しく知らない人も多く、さらに男性はもっと知らないという現状。
男性の不妊についても、自身の精子の運動率や数の多さなどについて不妊治療で検査をしてから初めて知るといった人がほとんどでしょう。
本書は、後悔のない人生設計を自分の価値観で考えるための本で、女性だけでなく、男性の問題としても公平に取り扱っているのも見どころのひとつです。 早めに不妊治療について知ることは、未来の自分の可能性を広げることにつながるはずです。
(川崎晴代)
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