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【声優・本多真梨子のマンガ愛】『魔女の心臓』 泣いて発散してほしい!500年の物語

マグミクス / 2021年2月6日 19時40分

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■500年もの間、「終わり」を探し続ける物語

 本日ご紹介する作品は、本多が何度も何度も読み返しているマンガです。大好きなマンガです……!

 最終巻を読み終えた時、こんなにも切なくて悲しいのに、多幸感を感じた物語は他にない!! とにかく泣ける!!! 最後は嘘だろってくらい涙がボロボロ出てきました!!!!

 人と会う機会が少ない今。ストレス発散のためにも、泣くってとってもいいと思います! ぜひこのマンガ読んで泣いて欲しい……!

 matoba先生の『魔女の心臓』。

 500年の時を歩いてきた、心臓のない境界(あわい)の魔女ミカ、しゃべるランタンのルミエールとともに、自分の心臓を持ち去った妹のニナを探して旅をする物語。

 あらすじは簡潔ですが、中にものすごく詰まっているんですわ……。500年っていう膨大な時間を考えると、マンガに描かれていない部分にも、たくさんの物語があったんだろうなぁって想像してしまいます。

 物語は1話で完結するお話が多く、幸せな話や明るい話ももちろんありますが、この「魔女の心臓」の世界、ただのファンタジー世界ではなく、とても現実的で理不尽な世界なんです。間に合わなくて、救うことはできなくて、たくさんの死を見つめ続けてきた魔女とランタンの旅。

 私、この旅のなかで、魔女ミカが全てを救わないところが好きで。止めることができた場面もあえて何も言わないという選択を取ってるんです。ミカが「彼女が自分の意思で選択したから。そこには正しさも誤りもない」と言っていたのが、印象深いです。

 ミカは、知らない所に飛ばされて、人と出会って、認めてもらえて、何も知らない場所から自分の居場所ができて、けれど、大事な人を失って、居場所がなくなって……出会って、失って、出会って、失って……。

 ひとつのところに留まることのできない不老不死の身体。そんな魔女の500年を考えたら、本当に心がギュッと苦しくなります。

 正直ですね! めっちゃ暗いお話多いです! 読んだ後は重い気持ちにもなったりするのですが、そんな悲しい結末を迎えてしまった者たちのために、なんと、救済措置があります!! 最後のおまけページとカバー裏を見ると、その面々が「全ては撮影でした!」の体でミニマンガになってます(笑)

 それを見ると何だかホッコリして、少し幸せな気持ちに! matoba先生のこの救済措置マンガ、すごく良いです……!! 発想が新しくて驚きでした!!!

 コミックス冒頭のページはカラーページもあって豪華仕様! カラーでマンガが始まるってテンション上がります!! 最終巻となる8巻の表紙も大好きです。紙に穴開くほど見つめました!!!

■涙なくして語れない、イチオシの最終巻

『魔女の心臓』の最終巻となる第8巻(スクウェア・エニックス)

 あ! 大事な紹介を。このマンガの登場人物も素晴らしいので、ご紹介させてください!

 まず、主人公の魔女ミカ! とにかく見た目が可愛い!!!可愛い!!!可愛い!!! 十代で、身体も小さく幼く見えますが、達観した表情やドライな雰囲気が、すごく可愛い。もちろん、500年という時間のなかでの変化だとは思います。でも可愛いです! 魔女ミカに関してはあんまりたくさん掘り下げると違う気がするので、とにかく読んで感じてほしいです。「考えるな!感じろ!」です。

 そして、ランタンのルミエール。ランタンがしゃべるのかと思いきや、ランタンは仮の姿。本当の姿は竜……!! それも、人間に変身できる高位の一族だとか。ランタンの姿と人間の姿の2種類を楽しめる仕様になってます(笑)。本多は「常時人間でいいじゃん」と思いましたが、魔女ミカはランタン姿を主に使っている模様。

 この作品、ルミエールの性格がいいスパイスになっていて、めちゃくちゃ面白いです! オススメのエピソードは、8巻に載っているルミエールの過去のお話。これ本当に素晴らしい。数えきれないほどリピート読みしています。

 このふたりをメインに、他にもたくさんのキャラクターが登場するのでぜひ確認してみてください!

 そして、本多のイチ推しは、最終8巻の最後の場面。

「あーあーあーあー!!!!!!そういうことだったんですか!!????」と、ものすごい勢いで納得します。

 なぜ不老不死なのか、なぜ心臓がないのか、なぜ500年旅を続けてきて妹と故郷は見つけられなかったのか……全てがここで分かります。

 そして、魔女の最後とは。
「その時 きっとまた 会いましょう」という彼女の言葉。

 もう涙なくして語れません!!!!!!
 この時の彼女の表情と言葉が好きすぎて、涙ボロボロになりながら何度リピート読みしたことか。あーーーーーーーこんなに心を震わせてくれるマンガを描いてくださったmatoba先生には、感謝の言葉しかありません。

 スクウェア・エニックス刊、matoba著『魔女の心臓』。

 世界はとても綺麗で、とても残酷。
 500年を歩いた果てに見つけた魔女の結末とは……?

(本多真梨子)

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