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『デッドプール』はなぜ愛される? ディズニーにR指定を持ち込んだ、狂気のヒーロー

マグミクス / 2021年3月30日 18時20分

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■映画第3作が決定、おしゃべり好きの破天荒男

 2021年1月に、ディズニー資本映画でありながら、「R指定」作品の製作が明らかにされました。それは、2021年で誕生30周年を迎える破天荒キャラクター、『デッドプール』の第3弾映画です。

 映画版『デッドプール』はMARVELによる原作コミックをもとに、2016年と2018年に20世紀フォックス資本の映画として公開されています。赤いコスチュームに二振の刀、二丁拳銃を身に纏った姿で、暴力表現や放送禁止用語などを多用するR指定ヒーローとして話題になっています。

 20世紀フォックスがディズニーに買収され、続編の先行きが不透明になっていましたが、このほどディズニー初のR指定映画として始動することになったものです。映画会社の壁を超え、ディズニーにR指定を持ち込むという偉業(?)を成し遂げている『デッドプール』とは、どのようなキャラクターなのでしょうか。

 正義感が強く、誰もが憧れるヒーロー像は、彼には皆無。常に“おしゃべり”と“コミカル”を徹底。息するように下ネタや悪口、皮肉を言います。正義の概念は「自分がそうしたいから」。「ヤバイ」という一言で表せるほどの個性が、彼の魅力のひとつといえます。

 デッドプールの特徴的な能力のひとつが「第四の壁の認知」です。舞台用語として使われる「第四の壁」は、舞台と客席を分ける一線のこと。通常客席は「壁」であり、普通は客はそこにいないという前提で役者は演技をしています。デッドプールはこの第四の壁を理解しており、読者や視聴者の存在を認知しているのです。

 彼はコミックでセリフが入るフキダシが見えており、ナレーションと会話したりすることも可能。映画でも作品を見ている“客”に積極的に話しかけてきます。「自身がコミックのキャラであると思い込んでいる」という設定が、他のキャラクターとは別格の個性を感じさせるのです。

 ヒーローとしての能力では、斬られようが、粉々になろうが再生する超回復能力に加え、決して死なない不老不死の体を持っています。白兵戦や射撃、刀剣を使った戦いにも優れています。

 彼がデビューしたのは30年前に刊行された『New Mutants #98』で、暗殺のために雇われた悪党のひとりとして生まれましたが、そのユニークな設定で人気が高まり、さまざまなヒーローたちとの共闘などが増えていきました。

 しかし、デッドプール自身は殺人を躊躇しないという考えを持ち、その言動のせいで、ヒーローチームへの参加を常々希望していても、チーム入りを断られ続けている……という点からも、稀なポジションでキャラを確立させてきました。

■コメディの概念を持ち込むキーワードは「第四の壁」

制作が発表されているドラマシリーズ『シーハルク』 (C)2021 Marvel

『デッドプール』が持つ「第四の壁の認知」の能力は、実はマーベルでは彼だけのものではありません。今後計画されているマーベル映像作品のなかにも、その能力を持つ者がいます。

 最も有名なのは、「Disney+」での配信が決定したドラマ『シー・ハルク』の主人公であるシー・ハルクです。ハルクと同じ怪力能力を持ちながら、スーパーヒーロー専門の弁護士としても活躍するという女性ヒーローですが、やはり自分がコミックの登場人物であることを理解しています。

 実はデッドプールよりも先に、作者や読者に語りかけることをしていたのが彼女で、読者に対して「私の本を買わなかったら……」などと脅しをかける場面も。ドラマは法廷コメディというジャンルになるそうで、この第四の壁を使ったユニークな掛け合いが見られるかもしれません。

 他にも、スーパーヒーローがコミック誌や映画などのなかにしかいない世界からマーベルの世界へとやってきた少女……という設定で活躍する「グウェン・プール」というキャラクターも、登場後に第四の壁を超える能力が発現します。

 マーベル世界に異常に詳しいオタクな彼女は、コミック世界の外へ飛び出たり、敵をコミックの外に落としたりできるようになり、コミカルな動きを見せます。「マーベル世界はキャラクターがいるだけ」と知っているからか、自分以外の他者の命を軽く見ており、デッドプール同様にモラルに問題のあるキャラクターになっています。

 さらに、マーベルキャラクターのなかでも屈指の人気を誇るヒロインの「スクイレルガール」も同じ能力も持っています。30年ほど前にアイアンマンのサイドキック志望の女学生として登場した「リスと同じ身体能力」「リスと意思疎通できる能力」をもつキャラクターで、可愛さとは裏腹に凶悪なヴィラン達を次々と瞬殺(戦闘シーンは見せない)するというインパクトが相まって、ファンの間でギャグキャラとして定着しています。

「第四の壁」を認識しているキャラクターに共通するのは“コメディ”です。今後のマーベルの映像作品群(MCU)の展開に「コメディ路線」が入っていることから、映像化が決まっていないキャラクターの登場も実現するかも知れません。異質な存在だからこそ、作品に新しい面白さを加えてくれる魅力も放っている彼らの登場を楽しみに待ちたいところです。

(大野なおと)

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